暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第83話:悪夢の芽吹き
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ょり濡れ、前髪が額に貼り付いている。

「はぁっ!? はぁっ!?…………クソッ!? なんて夢だよ……」

 奏は髪をかき上げ、悪態を吐きながらベッドから出て浴室へと向かった。下着まで汗でぐっしょり濡れて気持ち悪い。

 乱暴に寝間着と下着を脱ぎ捨て、浴室で頭からシャワーを浴びる。

 熱いシャワーが汗を流していくのを見下ろしながら、奏は先程の夢の事を考えた。何であんな夢を見たのか。

 恐らくそれは、昨夜の戦闘後の事が関係しているだろう――――――




***






 戦闘後、意識を失った響は大急ぎで仮設本部の医務室へと搬送された。仮設本部の発令所で、戦闘の様子をモニターしていた了子が大急ぎでそうするように手配したのだ。
 響に外傷は既に無かったが、先程の暴走の事で精密に検査する必要があると了子が急がせた。

 颯人達は響と共に帰還し、弦十郎への報告を終えた後医務室の前で待っていた。
 報告が終わってもまだ治療室から出てこない響に、誰も何も言わず医務室の前で待っている。

 どれ程そうしていたか。徐に医務室の扉が開き了子と、何時の間に居たのかアルドが出てきた。2人が出てくると、アルドが居た事への疑問も他所に了子に質問が殺到した。

「了子さん!?」
「立花の容態は?」
「皆さん落ち着いてください。そんなに一度に質問されては櫻井主任も答えられません」

 了子に詰め寄る装者達を、アルドが前に出て宥める。
 一同がとりあえず落ち着いた頃を見計らって、了子が口を開いた。

「とりあえず、響ちゃんは今すぐには命に別状は無いわ」

 命に別状は無い――その言葉に装者達は一瞬安堵したが、颯人は直ぐにその言葉に隠された不穏に気付いた。

「今すぐに……って事は、近い将来か長い目で見るとやばいって事か?」
「流石に颯人君は勘が鋭いわね」

 そのやり取りに全員がハッとなって颯人と了子を見比べる。

 一気に不安そうな顔になった一同に、了子は数枚のレントゲン写真を見せた。

「これが今の響ちゃんのレントゲン写真よ」
「これが響の……」
「しかし、これは……」

 その場の全員が険しい顔でレントゲン写真を見ていた。

 響の物だと言うレントゲン写真には、人の体の輪郭の中に木の根の様な物が張り巡らされているのが映っていた。その中心にあるのは心臓…………それを見て奏の顔から血の気が引いた。

 そこにあるのは間違いなく、響の体内に残ったガングニールの欠片なのだ。
 つまり――――――

「まさか――――!?」
「そう。この根っこの様な物は聖遺物。響ちゃんと融合し、彼女の体内を侵食しているものよ。もし、このまま響ちゃんが戦い続ければ……」
「響は……響は
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