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艶やかな天使の血族
1部 艶やかな天使
5話 逃避行
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「ものは相談だけど、俺に着いてくる?」
「え…!?」
「今更、元の地球に行ってもしかたない。ならサイド3に行ってみる?俺の家にホームステイみたいな感じで寄って行きなよ。ゲストルームの手配はあるし、刺激もあるから退屈しないよ」
 
 エリオット・レムは真剣な銀色の目を私の瞳を見つめ、促してくれた。

「新しい世界へ君を連れて行ってあげるよ」

 何気なく差し出された左手に、水菜は右手を差し出す。
 
「屋敷の者にばれないうちにさっさとここから出よう」

 私達はまるで駆け落ちするように、その呪われた家から出た。エリオットさんの手は大きくて、温かくて、優しかった……。

 そのまま、サイド3行きのシャトルに乗る。
 こうして、今度は、エリオット・レムという名前の天使に私は弄ばれてしまうのであった。 
 弄ばれてしまうほど、気持ちいい…麻薬みたいに、甘く、とろける、罠に。
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