救星主
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を見せる。同時に、割れた銃弾がムーの祭壇を砕き、大きな火花が舞った。
そして、それと時を同じくしたのは運命の悪戯か、それとも偶然か。
黒い天使、ブラジラの背後より、巨像から駆動音が鳴り始めた。
「な、なんだ……!?」
ムー大陸全体を揺るがす揺れ。それを引き起こしながら、巨像の眼が赤く点灯していく。
「ほう……どうやら、復活の時のようだな」
「復活?」
ハルトの言葉に、ブラジラはにやりと顔を歪める。
「この祭壇は、もとよりバングレイがラ・ムー復活のために訪れた場所だ。三つのオーパーツのエネルギーを注ぎ込むことでな」
「オーパーツのエネルギー?」
立ち上がったコウスケが噛みつく。
「どういう意味だ? オーパーツは、響が取り込んでいるはずだろ? 何で今復活できんだ!?」
「残った二つのオーパーツと、ここまでに吸収したベルセルクの力だけでも十分だったということだ」
「何っ!?」
「まずいわ!」
もう一度ブラジラへ挑もうとするコウスケを、ゴーグルをつけたリゲルが止めた。
「このままじゃ、ここは崩れるわ!」
「やっぱり? おいコウスケ! 今はここから脱出する方が先だ」
欠片が次々と落ちていく、それは、ムー大陸の頂上である神殿の崩壊を意味していた。
やがて、ひと際大きな瓦礫がハルトたちとブラジラの間に落下する。
その轟音の中、ハルトの耳は、確かにブラジラの声を捉えた。
「さあ、蘇れ! ラ・ムーよ! 私と一つとなり、この星を破壊しろ!」
そして、粉塵の合間から、ハルトは見た。
巨像、ラ・ムーの頭部。その中に、ブラジラが吸収されていくのを。
そして。
「ラ・ムーよ! 手始めに、奴らを葬れ!」
瓦礫の合間から、紫の光が輝く。
「……いけない……! 間に合ってくれ!」
『キックストライク プリーズ』
生身のままの足蹴りと同時に、瓦礫の奥の巨像、ラ・ムーが光線を放つ。
そして。
ムー大陸の頂上。その神聖なる王の祭壇が、崩壊した。
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