赤い眼差し
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それによって動いた鏡が盾となり、全てを無に帰した。
しかも、それだけではない。未来の盾となった鏡の隣に備えられたもう一枚の鏡。それは、どうやら最初の鏡と繋がっているらしく、鏡からはリゲルの光線がそのまま帰ってきた。
「危ない!」
だが、その光を掻き消したのが、立花響。
青い光線を殴り落とし、そのままハルトたちへ振り替える。
「二人とも、大丈夫!?」
響はそのまま、さらに襲い掛かる紫の光線を打ち砕く。形を失った光が、そのままムーの床を焼く。
「いや……さっきまで戦えない状態じゃなかった? 君」
「これくらいへいきへっちゃら! ……」
ハルトたちには笑顔。そして打って変わって、未来には釣り目を。
「未来……」
「響。もう動けるんだね。だったらさ、一緒にこの人たちをやっつけよう?」
未来は、それがあたかも当たり前のように口にした。彼女の出した三つの大きな鏡に、ハルトとリゲルの姿が映った。
「ね? 響。私と響を邪魔する人は、皆……やっつけよう?」
「未来は、そんなこと言わない!」
響が大声で否定した。
「未来は……未来は……私の陽だまりは……! 他の誰かを傷つける人なんかじゃない! だから……たとえ偽物でも、私がさせない! それ以上は、絶対に!」
響は未来を睨みながら、駆け出した。
「響ちゃん!」
その姿にハルトは叫ぶ。
だが、無数の雨を切り抜きながら、響は未来へ飛び掛かる。
上空で乱れ打ちされていく光線を避けながら、響は蹴りを放った。
だが、防御に出される鏡があまりにも頑丈で、割れることもなかった。
「だとしてもおおおおおおおおおおお!」
突如としての、響の激昂。
二度目の蹴り。それは、あまりにも頑丈と思われていた未来の鏡を砕け散り、そのまま彼女への接近が許される。
「未来ぅぅぅぅ!」
粉々に舞う、鏡の破片。それは光を反射し、響の周囲を散りばめむ。
そして伸ばされた彼女の手は。
「捕まえた!」
とうとう、その陽だまりを掴んだ。
だが、響は気付いていない。
「後ろ!」
それに思わずハルトは叫んだ。
響の背後には、すでに別の鏡が備わっており。
すでに、光線の光もあふれている。
すると、響は咄嗟に未来を抱き寄せた。自らを未来の盾にするようにして。
すでに煉獄の命令は止まらない。
「響ちゃん!」
「響!」
ハルトとビーストがそれぞれ叫ぶ。
紫の光線を浴びた二人のシンフォギア奏者は、光線が開けた穴よりムー大陸の外側まで吹き飛ばされる。
そのまま、その姿は虚空の中に見えなくなっていった。
「響ちゃん……っ!」
「バリバリ! よそ見してる
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