激槍復活
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「はあ、はあ……」
「おい、大丈夫か?」
膝を折ったハルトに、ビーストが肩を貸す。
ハルトは頷きながら、ずっと観戦していたエンジェルを見上げた。
分身を倒されたのにも関わらず、エンジェルは薄ら笑いを浮かべていた。
「くっ……」
「お、おい!」
ビーストを振り抜き、ハルトは指輪を腰に当てる。出現したウィザードライバーのつまみを操作しようと手を伸ばしたが、エンジェルは手で制した。
「まあ待て。言っただろ? 私は手を出さないと」
その言葉を真実とするように、彼は佇んでいた。
「……まさか、それを信用すると思うの?」
「クク……それもそうだな」
エンジェルはせせら笑う。
「だが、手を出さないとは言ったが正当防衛はする。今の貴様たちには、私などという無駄な敵と戦う時間などあるまい」
エンジェルが顎で指す。それは、リゲルとバングレイの戦いだった。
遠距離を主体とするリゲルは、一定以上の距離を保っているが、バングレイは被弾を恐れない。着弾し、ダメージを受けながらもリゲルへ攻め込んでいる。
「っ……!」
そして、響。祭壇に祀られている巨像の前で、石像と化している。彼女に張り付く未来が、ずっとこちらを睨んでいた。
「響……」
ビーストはハルトの肩を叩く。
「悪い。響を助けに行くのが今の最優先だ。オレはアイツを助ける。……エンジェルの言葉は信用ならねえけど、手を出さねえなら、それでいい」
ビーストはそう言うが早いが、響の元へ走っていく。
だが、未来がすでに彼の前に立ちはだかっていた。
「響へは、手を出させない」
冷たく告げられる、未来の声。
どこにでもいる少女は、世界に二つとない歌声を奏でた。
『Rei shenshoujing rei zizzl……』
紫の歌声とともに輝く未来。
その目を黒いパーツで閉ざし、神獣鏡と呼ばれるシンフォギアを纏った未来は、音もなく浮かび上がった。
「響と私の邪魔は……させない……!」
「!」
「っ!」
変身よりも防御が優先。
ハルトはルビーを使うことを諦め、ホルスターから他の指輪を取り出す。
『ディフェンド プリーズ』
ハルトは防御の魔法で、自身とビーストの前に防壁を張る。だが、未来の手元の鏡より発射された光線は、いとも簡単に防壁を吹き飛ばし、ハルトとビーストにダメージを与えた。
「うああああああああああああああ!」
「ぐおおおおおおおおおおおおお!」
転がるハルトとビースト。
さらに、ハルトの前には、リゲルの剣が滑ってくる。見れば、バングレイに長銃を切り刻まれ、殴り飛ばされているリゲルがいた。
「リゲ
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