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おぢばにおかえり
第六十四話 阿波野君と先輩その二十二

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「そうしたことも」
「言ってる意味が」
 わかりませんでした、正直。
「どういうことなの?」
「だから言ったままよ、彼と会えたことは千里にとって特に大きなお引き寄せだってお母さん思ってるから」
「特になの」
「一生もののね」
「そこまでなのね」
「そうよ、だからね」
「阿波野君のこともなの」
「わかってあげるのよ、彼積極的に見えて」
 それでもというのです。
「土壇場は全然だから」
「?そうかしら」 
 私が思う阿波野君はといいますと。
「随分馴れ馴れしいけれど」
「千里にすればそうなのね」
「ええ、結構以上にね」
 こうお母さんに言いました。
「そうした子だけれど」
「それがよ」
「違うの」
「そうよ」
 そこはというのです。
「他の人は違うこと言うでしょ」
「礼儀正しくて謙虚って言うのよね」
 これは誰もがです。
「同じクラスの後輩の娘に聞いてもね」
「そう言うわね」
「ええ、結構最初は人見知りして」
 その後輩の子が言う阿波野君はそうした子とのことです。
「やっぱり謙虚で」
「いきなりってことはない子ね」
「誰にも紳士であろうとしているとも言ってたわ」
「そうよね、お母さんにもお父さんにも謙虚だしね」
「妹達にもね」
「そうした子なのよ」
「じゃあ何で私にだけなのかしら」
 このことがどうしてもわからなくて思わず言いました。
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