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イベリス
第七話 入学式の後でその十三

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「勝とうと思わない」
「それだったの」
「そう言ってたらしい」
「そうなの」
「どうしても勝とうと思うな」
「それはね」
 咲もその通りだと答えた。
「思うわよね」
「しかしな」
「その人、足立さんはだったのね」
「勝とうとはな」 
 そのギャンブルにというのだ。
「思わなかったらしいな」
「それで逆に勝っていたのね」
「そうでもないとするなってことだな」
「ギャンブルは」
「そうだ、それで咲は勝とうと思うな」
「お金かかってるし」
 咲もこう答えた。
「それならね」
「そうだな、だったらな」
「ギャンブルはしないことね」
「最初からな、アルバイトのお金はお洒落に使ってもいいし」
 愛に教えられているそれにというのだ。
「あとこれまで通りだ」
「漫画とかラノベに使ってもいいのね」
「そういうものは返ってくるんだ」
 ホストやギャンブルと違ってというのだ。
「自分にな、だからな」
「それでなのね」
「アルバイトに採用してもらったらだ」
「そうしたものに使っていけばいいわね」
「そうだ、お金の使い方も考えろよ」
「そうしていくわね」
 咲は父にも頷いた、そうしてだった。
 速水にあらためて連絡をした、速水は咲の話を聞いて行きたい日時を話した、咲は両親にその話をすると両親はその日時ならと笑顔で答えた。


第七話   完

 
                 2021・3・15
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