第四章
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彼女はこう言った。
「あと二本、おはぎ詰め合わせもよ」
「追加ですか」
「それでアドバイスしてあげるわ、全部ね」
「わかりました」
喜三生は巫女の言葉に頷いてだった。
実際に彼女に一升瓶をもう二本そしておはぎの詰め合わせも出した、するとそれで彼女は彼に彩香のことを細かく教えた。
全て聞いてだ、喜三生は驚いて言った。
「あの、よくそこまで」
「私が知ってるっていうのね」
「はい」
神社の中で自分の前に胡座をかいて座って飲んでいる彼女に言った、肴はおはぎである。
「よくそこまで」
「情報ってのは集めようと思えばね」
「そう思えばですか」
「入るものよ」
「いや、あの人の細かい癖や好みまで」
「だから周りから聞いたらよ」
それでというのだ。
「もうね」
「集まりますか」
「そうなのよ」
湯呑に自分から日本酒を入れて飲みつつ話した。
「これがね、全くの謎の包まれている人なんてね」
「いませんか」
「少なくとも学校にはいないわよ」
そうだというのだ。
「皆と一緒にいるのに」
「そうなんですね」
「それこそ砂漠の真ん中の塔にでもいないと」
「ああ、超能力少年ですか」
「そう、三つの僕に守られたね」
「その僕達がそれぞれ無敵に近いまで強くて」
「そんな相手もないと」
それこそというのだ。
「情報は集まるわ」
「そうですか」
「学校はにいたら」
皆が一緒にいる場所ならというのだ。
「情報は集まるわ」
「そうなんですね」
「それでよ、今全部言ったけれどメモした?」
「はい」
喜三生は実際にメモ帳とペンを使って全部書いていた、そのうえで答えた。
「全部」
「ならいいわ。いいわね、アタックするよりもね」
「北条さんについては」
「見せればね」
それでというのだ。
「来るから」
「そうした人なんですね」
「そう、告白するなってオーラを出していても」
「自分が好きなものにはですか」
「自然と動くから」
そうしたタイプだからだというのだ。
「ここはね」
「告白はしないで」
「見せるのよ、北風じゃなくて」
「太陽ですか」
「そういうことよ」
ひたすら酒を飲みおはぎを食べつつ言う、巫女装束白と赤のそれで胡座をかいて顔を真っ赤にしたまま言うのだった。
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