アインクラッド編
第26層ボス戦
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届くよりも早く、クライン率いる〈風林火山〉の5人とキリトの6人パーティーのG隊は動き出していた。
余裕を持って下がったキリトは視線を他の2つのパーティーに移して、驚きで目を見開く。
隣のC隊の1人が逃げ遅れている。タイミング悪く大技を使ってしまい、技後硬直で動けないようだ。
「何してる! 早く下がれ!」
キリトは叫ぶが、そのプレイヤーは重武装のタンクプレイヤーなので今から下がっても間に合わないことくらい理解している。
さすがに一撃で全損するほどの威力ではないが、あの至近距離で受ければタンクプレイヤーとてイエローゾーンには突入してしまう。
その重武装のプレイヤーは流石の対応力で避けきれないことを瞬時に判断したのだろう、威力を減衰するためにぶ厚いヒーターシールドを真正面に構える。
が、そのヒーターシールドの前に飛び出すプレイヤーが1人。
プラチナブロンドの髪の毛に、真っ赤なサーコート姿の男。
〈血盟騎士団〉が団長、ヒースクリフだ。
「何してやがる!?」
隣のクラインが呻くように叫ぶ。
確かに無謀な特攻のように見える。
このタイミングで攻撃を仕掛けても、ブレスを強制ブレイクすることはできない。
いくら鉄壁のディフェンスのヒースクリフとはいえ、あの距離でブレスを防ぎきることは不可能なはずだ。
周りの制止の声を振り切って、更に接近するヒースクリフ。
彼我の距離5メートルの所でボスが溜めていたブレスを解放しようと、勢いよく首を前に倒し、口を開ける。
それと同時に、
「むんっ!」
気合いの一声と共にヒースクリフが左手に構える盾をボス目掛けて構える。
「がるぅああぁぁっっ!!」
ボスの口から炎が迸った。
凄まじい量の炎の奔流で数秒、タンクプレイヤーとヒースクリフの姿が炎の渦の中に消える。
全員が炎に焼かれるヒースクリフとタンクプレイヤーの姿を想像したが、炎が消え去った後には無傷の2人、そして盾で横から殴られているボスの顔が。
「・・・んな、無茶苦茶な・・・・・」
横でクラインがぼやいているが、キリトもまったくもって同意見だ。
ヒースクリフはブレスを吐く寸前のボスの顔を横殴りして、軌道と斜めに置かれた盾でブレスの軌道を無理矢理変更。タンクプレイヤーをも無傷で救って見せたのだ。
少しでもタイミングがずれていたら、ヒースクリフが零距離から炎に飲み込まれていただろう。
ヒースクリフの神業によって広範囲攻撃を全員が無傷で回避。
広範囲に強力なブレスを放ったことにより、10秒近く、長めの硬直時間を課せられるボス。
それを見逃すほど、攻略組プレイヤーは温くない。
敏捷値を全開にしてボスの周りをキリト含む10人近くのプレイヤーが取り囲む。
その中には全体の指揮をしていたア
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