第四章
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「本当にね」
「ないわね」
「これといってね」
「あそこでするのは勉強と」
「読書だけね」
「他にすることないのに」
その筈だがというのだ。
「一体ね」
「何をするのかしら」
「本当に読書か勉強?」
マリーはここでこう言った。
「まさか」
「図書館だから」
「そうじゃないかしら」
「ううん、監督生さんは」
マーガレットはエリザベスのことをここで考えて言った。
「物凄く真面目でね」
「怖い人よね」
「ジョークやユーモアは通じても」
それでもというのだ。
「融通は利かなくて」
「厳格でね」
「物凄く真面目だから」
またこういった。
「他にはね」
「思わないわね」
「秘密の恋人がいて」
「その人と図書館でこっそりとか」
「そういうこともね」
どうにもというのだ。
「考えられないし」
「あの人の場合は」
「ええ、何でも婚約者の人がいて」
「あの人家柄もいいから」
「だからそうした人もいるし」
このこともあってというのだ。
「そうしたお話もね」
「浮気とかしそうもないし」
「それも絶対に考えられないし」
「じゃあ何かしら」
「図書館に何があるのかしら」
二人で首を傾げているとだ、図書館に。
制服姿の女生徒が一人また一人とこっそり入っていった、マーガレットはそれを見てさらに首を傾げさせた。
「何人も入ってきたわね」
「そうね」
マリーもそれは見ていた。
「今ね」
「これは本当にね」
「何かあるわね」
「それで何があるのかしら」
「わからないわね」
「黒ミサやってるのかしら」
「図書館で?ないでしょ」
マリーはそれはないとした。
「もっと別なね」
「場所でするわね」
「礼拝堂とかね」
「学校の中のね」
「そういうところでするものでしょ」
黒ミサはというのだ。
「そうでしょ」
「それもそうね」
「だからそれはないわ」
「じゃあお茶会は」
「夜にする?皆三時にするわよ」
お茶会即ちティータイムを楽しむならというのだ。
「ティーセットも用意してね」
「私も好きだし」
「私もよ、だからね」
「それもないのね」
「それもないわ、まあ兎に角興味があるなら」
それならとだ、マリーはマーガレットに強い視線を向けながら言った。
「これからね」
「まさかと思うけれど」
「そのまさかよ」
「図書館の中に入るの」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
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