第三章
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「逃げましょう」
「黒ミサとか」
「そう、そんな怪しいことしていたら」
「そうね、黒ミサとかね」
「生贄とか問題外だから」
それでというのだ。
「逃げましょう」
「それじゃあね」
「そう、本当にね」
「じゃあその覚悟もして」
「逃げましょう」
「今からね」
二人でこう話してだった、その夜にだった。
十一時近くに監督生のエリザベスの部屋の傍に隠れて様子を見た、すると十一時になるとすぐにだった。
エリザベスの部屋の扉が開いた、そして。
エリザベスは制服姿で部屋を出た、マーガレットはその制服姿を見て首を傾げさせた。
「私服じゃないわね」
「そうね」
マリーもそうだと答えた。
「これは」
「室内は私服でいいのに」
「ええ、露出のないね」
由緒ある学園なので私服でも決まりはあるのだ。
「そうである筈なのに」
「それがね」
「どうしてかしらね」
「私服でいいのに」
「どうして制服か」
「それがわからないわね」
「どういうことかしら」
マリーもわからなかった、そして。
マリーはエリザベスにこうも言った。
「これはかなり重要よ」
「制服だっていうことは」
「学園のね、制服でいるなんて」
「何か学校と関係ある」
「そういうものかしら」
「私達私服だけれど」
寝る時のパジャマ姿だ、トイレで部屋を出る位はそれでもいいので二人共その姿で隠れていたのだ。
「これはね」
「まずいかしら」
「そうよね」
「これはね」
二人で話した、そして。
この日は一旦見送って次の日に制服に着替えて行くことにした、だがその次の日の昼にマーガレットはマリーに話した。
「制服だから」
「それでよね」
「学校と何か関係ある」
「そう考えていいわね」
「その内容が何かわからないけれど」
それでもというのだ。
「学校と関係あるのはね」
「可能性が高いわね」
「そう思っていいわね」
「じゃあ今夜はね」
「制服に着替えて行きましょう」
二人でこう話してだった、そして。
その夜は実際に制服を着てエリザベスの部屋の傍に隠れた、そうして十一時にエリザベスが部屋を出ると。
そっと二人で彼女の後をついていった、エリザベスに気付かれない様に用心して。そうして彼女の後をついていくと。
エリザベスは寮を出て学校の図書館に向かった、長い歴史を持つ学校に相応しい立派な図書館である。
その図書館に入ったエリザベスを見てマリーはマーガレットに言った。
「図書館に入ったけれど」
「あそこにあるのってね」
「本と机と椅子だけで」
「パソコンとかね」
「そうしたものだけで」
「特にこれといったものはね」
図書館の中にというのだ。
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