第一章
[2]次話
美少女秘密倶楽部
その全寮制の寄宿舎学校、イギリスの昔ならではの学園では密かに噂になっていることがあった。それはどういったものかというと。
学園の限られた女生徒だけが参加出来る秘密のクラブがあるというのだ、その話を聞いて十六歳になったばかりのマーガレット=プランタジネットは話をしてくれた同級生に言った。金髪を長くしていて鳶色の目は大きい。少女めいたあどけない顔立ちで唇はやや大きめでピンクだ。鼻は高い。背は一五六程で白い制服が楚々としたスタイルに似合っている。
「一体どういったクラブなの?」
「それがね」
同級生のマリー=フッドはどうかという顔で答えた、癖のある赤髪を短くしていて目は青い。やや丸い感じの顔で唇は赤く鼻はやや低い。背は一六〇程で胸がやや目立っている。
「噂だけで」
「何もわからないの」
「そうなの、ただね」
「ただ?」
「監督生の人は知ってるみたいよ」
マリーはマーガレットにこのことを話した。
「どうもね」
「そうなの」
「ええ、だからどうしてもっていうのなら」
それならというのだ。
「監督生さんに聞けばね」
「わかるのね、けれど」
すぐにだ、マーガレットはマリーに曇った顔でこう返した。
「あの監督生さんがね」
「聞いて教えてくれるか」
「エリザベスさんよね」
「そう、エリザベス=トールキンさんね」
「あの人凄く怖い感じがするから」
近寄り難い、威圧感がある。マーガレットはこう思いつつ話した。
「だからね」
「まあ伊達に監督生じゃないわね」
「あの人に何か聞くとか」
「近寄るだけでもね」
「難しいから」
それでというのだ。
「聞くなんて」
「けれどどうしてもっていうのなら」
「聞けばいいのね」
「あの人にね、そうしたら?」
「聞けないわ」
マーガレットはマリーに率直に答えた。
「私にはね」
「そうなのね、まあそれを言ったらね」
「マリーもでしょ」
「ええ」
マリーは率直に答えた。
「あの人にはね」
「そうでしょ、けれどどんなクラブかはね」
このことはとだ、マーガレットはあらためて話した。休み時間に窓から差す日光を浴びながら話している。
「知りたいし」
「そう思うから」
「どうしたものかしら」
「それじゃあね」
少し考えてだ、マリーはマーガレットに答えた。
「監督生さんをじっと見て」
「それでなのね」
「そう、そのクラブに行きそうなら」
それならというのだ。
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