第三章
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「消えないでね」
「残っているのね」
「そうなの、だからね」
「それが貴女のコンプレックスなのね」
「全体が青いでしょ」
尻全体がというのだ。
「だから誰にも見せられないし」
「コンプレックスになってるのね」
「凄くね」
実際にというのだ。
「これが」
「そうなのね、けれどそうしたことはね」
「気にしないでいたらっていうのね」
「もう仕方ないでしょ、だから気にしない方がいいしどうしても気になるなら」
そのコンプレックスがというのだ。
「隠して言わないことね」
「それがいいのね」
「そうしたらいいわ、ただ貴女にもコンプレックスあるのね」
「そうよ、これがね」
「それ言ったら私だって歯並びが悪いから」
それでというのだ。
「そこがコンプレックスよ」
「誰でもなのね」
「そう、あるものね」
「私だけじゃないのね」
「あのカエサルだってコンプレックスあったし」
ユリウス=カエサル、帝政ローマの事実上の創始者であり偉大なる英雄でもある彼にもというのである。
「ほら、髪の毛ね」
「ああ、凄く気にしていたそうね」
「そう、額が広いことをね」
本人はかなり気にしていたという。
「そうしたことはあるのね」
「そうね、人ならね」
「貴女もね、けれど私も自分のこと言ったし」
歯並びをというのだ。
「お互いにね」
「言わないことね」
「それがいいわね、けれどコンプレックスを持っていても」
「それでもなのね」
「人はやっていくしかないわね」
「学んでお仕事をして」
「生きていくしかないわね、じゃあ貴女も」
フレデリカもというのだ。
「出来るならコンプレックスを克服して出来ないならね」
「隠してなのね」
「これまで通りね、そうしていきましょう」
「そうして生きていくことね」
「ええ、じゃあ朝ご飯食べ終わったら」
ジュリエッタはコンプレックスの話から話をあっさりと切り替えた、その切り替えた話はというと。
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