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美女のコンプレックス
第二章

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「私がご飯作るから、それと実家からワインがかなり送られてきたから」
「ワインもなのね」
「楽しみましょう、いつも飲んでいるけれど」
「いつも以上になのね」
「飲みましょう、私のお料理と一緒にね」
「わかったわ」
 フレデリカも料理は作る、オランダは料理では知名度がかなり低いが彼女はそれなり以上に作ることが出来る。このこともジュリエッタにとっては何処が自信がないのかコンプレックスなのかと思うことだった。
 だがフレデリカがあまりにも言いたがらないのでこれ以上は聞かないことにしてルームメイトの話になった、そうしてジュリエッタはこの日の夜はだった。
 トマトとチーズをふんだんに使ったサラダや鶏料理そしてパスタそれにワインをフレデリカと一緒に楽しんだ、そうしてだった。
 朝になるとワインを飲み過ぎたせいで二日酔いで頭が痛かったので大学に行く前にシャワーを浴びてすっきりしようと浴室に向かった。だが。
 服を脱いで浴室に入るとそこにフレデリカがいた、丁度シャワーを浴びていて彼女に背中を向けていたが。
 尻の部分が青かった、それも痣の様に。ジュリエッタがその痣に気付いた時にだった。
 フレデリカはジュリエッタが浴室に入って来たことに気付いた、そうして彼女の方に振り向いて強張った顔で問うた。
「み、見た?」
「え、ええ」
 ジュリエッタは強張った顔のフレデリカに答えた、そしてだった。
 ユニットになっている浴室で共にシャワーを浴びてすっきりしてから身体を拭いて服を着て朝食のパンを食べつつだ、フレデリカは話した。
「子供の頃からね」
「お尻が青かったの」
「そう、青い理由はね」
「あれね、ご先祖にアジア系の人がいたのね」
「そうなの、実はお母さんがね」
「そうだったの」
「そう、お母さん今はオランダに暮らしているけれど」
 それでもというのだ。
「生まれは日本の静岡で」
「そこでなの」
「東京で駐在武官をしていたお父さんと知り合って」
 そうしてというのだ。
「それで今はね」
「そうだったのね」
「うちの家家柄があるけれど」
「それは大丈夫だったの」
「叔父さん達がもう良縁の人と結婚していたし」
 父の兄弟達がというのだ。
「四人兄弟の末っ子だったお父さんはね、日本でも徳川家に代々仕えた家ってことで」
「よかったの」
「幸いうちの家は人種的偏見もないし」
「それで貴女が生まれて」
「外見は全部お父さん譲りなのに」
 それでもというのだ。
「ほら、アジア系の人ってね」
「蒙古斑出るわね」
「子供だとね、だからお尻が青いけれど」
「貴女はなのね」
「成長すると消える筈が」
 その蒙古斑がというのだ。
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