第二章
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「私の何処がよくてでしょうか」
「告白したかですね」
「それはどうしてでしょうか」
「性格です!」
颯馬ははっきりと言い切った。
「先輩この前幼稚園にボランティアで行ってましたね」
「見せものをしてお菓子を作って食べてもらったり」
「あと保護犬や保護猫のボランティアもしてましたね」
「そのこともご存知ですか」
「俺もそういうことしてまして」
それでというのだ。
「たまたま先輩のお姿見まして」
「それで、ですか」
「素敵だと思いまして」
それ故にというのだ。
「好きになりまして」
「告白してくれたんですか」
「はい、心から好きになりました」
こう言うのだった。
「だからです」
「告白してくれましたか」
「あらためて言います、俺と付き合って下さい!」
やはり強い声で言った。
「そうして下さい!」
「おいおい、言い切ったな」
「これはまたね」
「物凄い直球な告白だったな」
「漢だな、あいつ」
「けれどそう言っても」
「流石に無理でしょ」
二人を見守る誰もがこれは断られると思った、姫子が告白されたという話はないがこれは断られると誰もが思った。何しろ姫子は非常に高スペックなので。
だがそれでもだ、姫子は颯馬に微笑んで答えた。
「私でよければ」
「いいですか」
「宜しくお願いします」
姫子は微笑んで答えた、こうしてだった。
颯馬は姫子と交際する様になった、これには本当に誰もが驚いた。
「まさか告白を受けるなんて」
「この展開は予想していなかったわ」
「柴崎が水谷さんと交際するか」
「というか水谷さんが誰かと交際するなんて」
「とんでもないことになったわ」
皆唖然とさえなっていた、だが実際に颯馬は姫子と交際する様になり。
二人は仲睦まじい交際を楽しんだ、だがその中で姫子は颯馬に話した。
「告白の時全部私の性格のことだったわね」
「ボランティアのですか」
「見ていてくれたのね」
「それがあまりにも熱心で優しくて穏やかで」
そうだったからだというのだ。
「俺もなんです」
「好きになってくれたの」
「はい」
颯馬はこの時も熱い返事だった。
「そうでした」
「そのことがね」
姫子はその颯馬に微笑んで答えた。
「嬉しかったから」
「だからですか」
「私は貴方の告白を受けたの」
「そうでしたか」
「私全然凄くないから」
姫子は微笑んでこうも言った。
「全然ね」
「いえ、いつも優しくて穏やかで」
「子供の頃は喘息持ちでしょっちゅう学校を休んで」
姫子は自分のことを話した。
「お父さんにもお母さんにもお姉ちゃんにも迷惑ばかりかけて体育は全然駄目だったし」
「あれっ、先輩体育は」
「中学校の時陸上部の部活で頑張ったから」
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