”Last Engage”
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しまった。
「どうした? ライダーのマスターよ。そんなものか?」
そう笑むのは、祭壇の端で観戦している本物のエンジェル。彼は肘を付きながらただハルトの奮戦ぶりを眺めていた。
「哀れなものだな。たかだか私の過去の姿にそこまでの姿にされるなど」
「哀れ……?」
「ああ。さあ、やれ。外道の私よ」
すると、エンジェルの命令に、分身たちのうち一人がこちらへ向き直った。
血まみれの姿のエンジェル。
「消えろ。哀れな魔法使い!」
「!」
生身のハルトへ行われる、血まみれのエンジェルによる攻撃。一撃でも食らえば、ハルトにとっては危険な代物。
ハルトは避けながら、ソードガンで斬りつける。だが、生身での攻撃などたかが知れている。
「どうした? こんなもの!」
「っ!」
ハルトはエンジェルの剣を足場にバク転。その間に、ドライバーオンの指輪でウィザードライバーを出現させた。
「変し……」
「させん!」
それは、エンジェルの声であってエンジェルのものではない。
ビーストと戦っていた茶色のエンジェルが、突然振り向き、矛先をハルトに変えた。全身を茶色の軽量アーマーで包んだエンジェル。その俊敏さと、吸血に適していそうな体のつくりは、未確認生物のチュパカブラを連想させた。
その腕に付いたその鋭利な鉤爪で、ハルトの胸倉を貫いたのだ。
「っ!」
痛みで変身のプロセスが吹き飛ぶ。横転したハルトへ、エンジェルが乗りかかる。
「終わりだ。マスターども」
チュパカブラのエンジェルは、鼻を鳴らした。
彼はハルトの顔を踏みつけながら、高らかに笑った。
「貴様では、我々分身には勝てん。思い知るがいい。人間ども」
「……人間……ね……」
痛みで頭が充満する中、ハルトは一瞬クスリとほほ笑んだ。そして。
「さらばだ。人間!」
「させるかよぉ!」
『2 バッファ セイバーストライク』
今にもハルトの首を取ろうとするエンジェルを、赤い水牛が吹き飛ばした。
「おいハルト、大丈夫か!?」
駆けつけてきたビーストに助け起こされる。ハルトは「あ、ああ」と頷いた。
「おい、変身、出来るか?」
「あ、ああ……」
ハルトは指輪を掲げる。再び出現したウィザードライバーで変身しようとするが。
「させん。排除する」
冷徹なる声が響く。機械を体に埋め込み、全身を武器庫にしている……まさに生体兵器といったエンジェルは、そのあらゆる発射口よりミサイルを放つ。
小型のそれは、生身のハルトにとっては十分な脅威となり、全身を吹き飛ばす。
「うわあああああああ!」
「ぐああああああああ!」
ハルトとビーストはそのまま
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