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Fate/WizarDragonknight
二対一
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「ここは……」

 ハルトは、それを見上げた。
 天高く貫く塔。雲を突き抜けるそこは、まさにムー大陸の中心だった。

「すっげーな。これ、今の人類でもここまでの高さは作れねえんじゃねえか?」

 コウスケも隣で額に手を当てて感嘆している。少し進むごとに彼は遺跡を調査しようとしたり鳥を捕まえようとしたりで、遅々として進めなかった。

「……そうね。今の文明の進歩のペースだと、少なくとも半世紀はかかるわね」

 リゲルも頷いた。分析のたびに彼女の目を覆うゴーグルは、今回も目まぐるしいデータを彼女に示している。

「それで? 次はここを調べるの?」
「そうなるんじゃないかな。そもそも、ここがムー大陸の中心でしょ?」
「そうだけど。でも、果たしてこんな分かりやすいところにいるものかしら?」

 リゲルはゴーグルを収めながら言った。金髪をなびかせながら、リゲルはため息をついた。
 ハルトは指輪を右手に嵌める。

『コネクト プリーズ』

 出現した大きな魔法陣に手を入れようとする。しかし、魔法陣は壁となったかのように、ハルトの手を受け入れない。

「やっぱり外部への接触はだめか……マシンウィンガーなら、結構時間も節約できたのにな」
「ねえもん嘆いても仕方ねえよ」

 コウスケは一足早く、階段を登っていた。腰に手を当て、ハルトとリゲルを見下ろす。

「可能性が高そうなんだから、速く行こうぜ。それに、ムー大陸にいるのはオレ達だけじゃねえ。他の参加者だって、いつまでもムー大陸にはいたくねえはずだ」
「たまにいそうじゃない? ここに居座りたいって思ってそうな奴」
「誰のことだよ?」
「お前」
「オレのことを何だと思ってんだ!?」
「いやだって、考古学専攻だし」
「ひでえ偏見だなおい! オレだって終わったらテントに帰りてえし、教授だってそこまで偏屈じゃねえ!」
「ちょっとは偏屈なんだ……」

 ハルトは苦笑しながら、階段の一段目に足をかける。少し遅れて、リゲルも続いた。

「……ねえ、コウスケ」
「ああ?」
「ここに書いてあることとか、分かるの?」

 階段は非常に大きな柱に沿って円状になっており、柱や壁には、無数の絵や言葉が記されている。
 コウスケは、手にしたスマホで可能な限りそれを撮影しており、そのせいで少しばかりハルトとリゲルよりもペースが落ちていた。

「いや。全く分かんねえ。そもそも、一万年も前の言語だぜ? オレたちは千年前の古文でさえ解読に手間かかんだから、そうぱっぱと分かるわけねえだろ?」
「それもそっか」

 ハルトは納得して、壁の壁画に手を当てる。古代の壁画は、今となっては忘れ去られた技法で世界を表現している。祭壇の上にいる人物を、人々が崇めているようだった。
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