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人狼と雷狼竜
出会いと再会は一方通行
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加熱された砲口で見事に打ち据え、続いてゼロ距離で砲弾を放って吹き飛ばす。
 対して少々間の抜けた声で強引に反転させられた少女は、今ので女性が持つ火砲の薬室に弾が無い事を瞬時に理解して、砲身が次弾装填の為に中折れした所で反転して位置を入れ替え、後続のジャギィの先頭を反転の勢いを持った盾殴りで弾き飛ばす。
 ここで、ジャギィ達の動きがまた止まった。彼等の攻撃の抑止力となっているのは、この二人の背中合わせの連携によるものだ。
 火砲の破壊力と、再装填の隙を埋める剣と盾のコンビネーション。これが彼等に攻撃を躊躇わせている。
 小柄で体重が軽く、力がそこまで強くない彼等の得意とする集団戦も、これでは不利というものだ。更には彼等にはメスであるが大型のジャギィノスや、群れのボス兼指揮官である更に身体の大きいドスジャギィが不在だ。
 まだ若くて身体も小さく、経験不足な彼等では膠着(こうちゃく)状態を作るのがやっとともいえた。
 だが、背中合わせの二人にも限界が近付いていた。体力と、予備の弾薬だ。特に火砲に至っては弾が尽きればただのデッドウェイトでしかなく、剣の方も血糊や度重なる酷使で切れ味が鈍ってきている。
「お姉ちゃん。今ので後幾つ?」
 剣を持った少女が尋ねる。
「通常弾があと六、散弾はゼロですね〜。」
 姉と呼ばれた、火砲を持った女性は緊張感が全くこもっていない、呑気な声で答えた。
「どど、どう考えても足りないじゃない……」
 少女の顔には明らかな焦燥が浮かんでいる。手持ちの武器と小道具では最早この状況を打開する事が恐ろしく困難となってしまっていた事を認識してしまったのだ。
 火砲の弾が完全に尽きれば、姉の武器は予備武装のナイフだけとなってしまう。これでは身を守る事すら難しい。モンスター相手ではリーチのある木の棒の方がまだマシなくらいだ。
「せめて小冬が居れば……」
「あの子なら大丈夫だとは思いますよ〜」
「だから早く戻ってきて欲しいの!」
 少女が姉の的外れな発言に涙目になりながら全力でツッこむ。
 だがそれが致命的な隙となり、周囲を囲んだジャギィが一斉に動き出した。
『!!』
 二人は自分達の迂闊さを呪ったがそれは既に手遅れだ。
 例外があるとすれば、ジャギィ達が逆に奇襲を掛けられた場合だった。

 そしてそれは現実となる。
 
 少女が全力で姉にツッコミを入れた時には既に、瓶のようなものが放物線を描いて二人の頭上へと飛来してきたのだ。
 くぐもった音と共に周囲が眩い閃光で支配される。
『ギュエアぁッ!!』
 二人の周囲を囲んでいた全てのジャギィ達はそれをマトモにくらい、視界を喪失してパニックに陥った。
『え?』
 閃光を直視しなかったので無事だったものの、突然の出来事に状況把握が出来ていない二人が呆
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