第六百十五話 またコーヒーを淹れるその一
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またコーヒーを淹れる
ルシエンはそれまで黙っていたが。
すぐにまたコーヒーを淹れだした、そのうえでクラスメイト達に言った。
「これで人数分かな」
「今コーヒー二十注文が来たけれど」
菅が応えた。
「これでね」
「それじゃあ」
「そう、そして」
菅はさらに話した。
「紅茶はね」
「十五だったね」
「それだけだよ」
「じゃあそっちも」
ルシエンは素早い動きで今度は紅茶を淹れつつ言った。
「こうしてね」
「出来るね」
「他には何かあるかな」
「コーヒーはコーヒーでも」
それでもとだ、菅はルシエンに話した。
「ブルーコーヒーで」
「それでなんだ」
「ウィンナーでね」
「それで注文が来ているんだ」
「そうなんだ」
「ウィンナーだと」
ブルーコーヒーの用意をした、インスタントのそちらを出した。
「それだとね」
「生クリームだから」
「ちょっと待て」
生クリームを造っているマチアの言葉だ。
「今丁度切れていてな」
「今からなんだ」
「ああ、造る」
造るといってもこちらもすぐだ、パックから出て来るそれを出している。
「そうするからな」
「それじゃあね」
「ああ、それで生クリームをな」
「ブルーコーヒーの上にね」
「置くな」
「可愛く頼むね」
「ああ、待ってくれ」
マチアは造りながら菅に応えた。
「もうすぐだ」
「それじゃあね」
「いや、変なお客さんが帰ったら」
カトリは注文を持って来てから店の中で言った。
「すぐにね」
「人が大勢来たな」
注文を届けた後のフックも言ってきた。
「そうなってきたな」
「そうよね」
「まあ変な客がいたらな」
どうしてもとだ、フックはカトリに応えた。もう次の注文を持って行く用意をしていてその手際は速い。
「そうしたらな」
「お店の雰囲気悪くなるから」
「それだけでな」
「お客さん減るよ」
「そうだな」
「普通にね」
菅は落ち着いた声で答えた。
「だからね」
「そういう連中がいなくなって」
「それでね」
「お客さんも増えたんだな」
「普通のお店でも」
菅はさらに話した。
「柄の悪い人達が入り浸ると」
「普通の人が来なくなるな」
「だってね」
「柄の悪い連中に何されるかわからないからな」
「怖くてね」
それでというのだ。
「もうね」
「その店には行かなくなるな」
「喫茶店でもゲームセンターでもラーメン屋さんでも食堂でも」
店の種類に限らずというのだ。
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