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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第82話:塔の下に舞う血飛沫
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フィリムの姿は跡形もなくなっていた。
だが響はまだ止まらなかった。次の彼女の標的は、自分に明確な悪意を向けてきたウェル博士。暴走状態の響の煌めく双眸に睨まれ、ウェル博士は悲鳴を上げてその場から逃げようとした。
「ひゃっ、ひ、ひぃぃぃぃぃっ!?」
逃げるウェル博士に襲い掛かる響。ネフィリムですら蹂躙した今の響なら、ウェル博士など物の数秒で挽肉に出来てしまう。
しかしそれを許さない者達が居た。颯人と奏である。
2人は逃げるウェル博士には目もくれず、暴走する響を止めようと彼女の前に立ち塞がる。
「おぉっと、そこまでだ響ちゃん。これ以上は流石にいけねぇぜ」
「もうお前を傷付ける奴はいない。だから落ち着け、響!」
「ウゥゥゥゥ、ゥァァアアアアアアァァァァァァッ!?!?」
理性無き咆哮を上げ、邪魔するものは全て敵と颯人と奏に襲い掛かる響。
颯人と奏はその響を前に、目配せをすると互いに頷き合い響の鎮圧に動いた。
それは一瞬の出来事だった。
響の拳を颯人のドラゴンリッパーが受け止め、弾いた所で背後に回った奏がアームドギアで後ろから羽交い絞め。一瞬響から身動きを奪った次の瞬間、懐に潜り込んだ颯人の肘鉄が響の腹に直撃していた。
「ごめんよ……」
「ガ、カ……」
パワーに優れたランドスタイルの、更にパワーを強化した姿の一点に集中させた一撃。さらには奏が背後からアームドギアで喉を押さえつけた事で、酸欠に陥り腹のダメージを合わせて響の意識を刈り取る事に成功した。
力無く倒れる響の体が、何時もの色を取り戻す。
颯人は倒れる響を受け止め、気を失っただけの彼女の様子に安堵の溜め息を吐くと奏に向けて安心させるように頷いた。
それを見て奏も安心したように溜め息を吐いた。
彼らの様子を離れた所から眺めていた翼達は、一先ず響が元に戻ってくれた事に安堵する。
一方で、メデューサは仮面の奥で苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「チィッ、ウェルめ。口先だけであっさり逃げ出すとは情けない奴」
「ま、しょうがないじゃん。あの人体はただの人間なんだし」
ウェル博士に悪態を吐くメデューサの傍に、何時の間にかグレムリンが立っていた。グレムリンは右手に嵌めていたコネクトウィザードリングを眺めながらつまらなそうに呟く。
「僕らもそろそろ帰ろう。ネフィリムもやられちゃったし、逃げたウェル博士を探さなきゃいけないしさ」
「…………フン」
グレムリンの言葉に、メデューサは忌々しそうに鼻を鳴らしつつ魔法でその場から姿を消した。それと同時にクリスと透を拘束していた鎖も消える。
「ッ! 消えた、ふぅ……」
拘束が外れ、立ち上がるクリスと透は縛られていた事で
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