暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第82話:塔の下に舞う血飛沫
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
切られ、血を噴き出しながらその場に尻餅をつく響。咄嗟に左腕を押さえる響だったが、腕から走る激痛と流れる血液に、響は悲鳴を押さえる事が出来なかった。

「う、うぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!」

 辺りに響き渡る響の絶叫。その声は颯人だけでなく、奏達の耳にも届き彼女の身に起きた悲劇を全員が知る事となる。

「た、立花ぁぁぁッ!?」
「響ぃぃぃっ!?」

 翼と奏の叫びが響の悲鳴に続く。

 それを遮るようにウェル博士の歓喜の声が響いた。

「いったぁぁぁ! パクついたぁぁぁ! シンフォギアをッ!! これでぇぇぇぇ!」

 左腕を食い千切られ、苦しむ響。狂喜乱舞するウェル博士。奏はソーサラーとの戦闘を中断し、響の方へと向かって行く。

 その時響の姿が黒く染まっていった。響の胸の傷跡を中心にして、影が広がるようにその全身を黒く染める。

 初めて見る現象に奏が動きを止めていると、全身を黒く染めた響は双眸を爛々と光らせ咆哮を上げた。

 それは聖遺物の暴走。生命の危機に、聖遺物が響の意識を塗り潰し破壊衝動のみで行動するようになる姿。

 実はルナ・アタック最後の戦いで一瞬響が陥りそうになっていたのだが、あの時は響自身には生命の危機が無かった上に響以上の怒りをクリスが抱いていた為暴走に至る事が無かったのである。

 獣と化した響は、自身の生命を脅かす危険のあるネフィリムに襲い掛かった。

「ガァァァァァァァァッ!」

 ギアのエネルギーにより新たに形成された左腕を携え、颯人の横を通り過ぎネフィリムの胴に凄まじい一撃を叩き込む。
 その一撃はネフィリムの体に深くめり込み、ネフィリムを後ずらせた。それだけに留まらず、響のラッシュが胴、顎、脳天とネフィリムの体に次々と突き刺さる。
 勿論ネフィリムもやられてばかりではないが、今の響に痛覚は存在しないのかネフィリムの反撃を受けても意に介した様子も無く攻撃を続行した。

「止めろぉッ!? 止めるんだぁッ!? 成長したネフィリムは、これからの新世界に必要不可欠なものだッ!? それを……それを……やぁめろぉぉぉぉっ!?」

 発狂して叫ぶウェル博士が響を止めようとノイズを召喚するが、それは彼女を守ろうとした颯人と奏により一蹴される。

 その間に響によるネフィリムの蹂躙は続く。拳を突き刺し、心臓を引き抜き放り投げると、逃げようとするネフィリムの上に飛び上がり右腕をエネルギーで形成した槍に変化させネフィリムに突き刺した。

 それがトドメとなり、ネフィリムは断末魔の叫びを上げ爆発。
 その余波は翼とメデューサまで届き、2人の戦いを中断させるほどであった。

「くっ!? 今のはッ!?」
「立花――――!?」

 爆発の光が治まった時、ネ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ