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の夜、麗子は酒の臭いをさせながら、帰ってきた、離婚の話を切り出すと、顔を真っ赤にしてヒステリックに叫び出した。
「どうして、あなただって、もう私としようとしないし、ほったらかしじゃない。寂しいから、昔のお友達と会っているのよ。私と別れたら、パパだって・・。あなたの立場なくなるわよ。ねぇ、お願い、私いいお嫁さんになるから、考え直して」
「もう、遅いんだよ。もう無理だ。決めた」
1ヵ月後、俺は家を出た。麗子は、自分の父親には、俺が夜の時ひどい仕打ちをして、麗子をいじめると説明していた。まるっきり、嘘ではないので、俺は、なんにも弁解しなかった。しばらくして、突然、俺に職場移動の辞令が出た。うちの中で売上が一番悪い店の店長で、、あと半年のうちに売り上げを倍にしなければ廃店というノルマ付きだ。
仕打ちがひどすぎると思ったが、中野社長は社内には、「彼の能力ならばなんとかしてくれるだろうから」と説明していた。社内のみんなから同情とか励ましの声をかけられ、理恵も心配して寄ってきて何か言おうとしているのをさえぎって、独りで飲み歩いていた。
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俺は、後悔していた。あの時、昇進に眼が眩んで、麗子を選んでしまったこと。弱気になって、中野社長一派の不正を正せなかったこと。
「お前が後悔する前に連れて行ってやる。夢をみてこい」と黒猫がしゃべった。「なんだ、こいつは」と俺は、そのまま眠り込んでしまっていた。
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