第六十四話 阿波野君と先輩その十九
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「それでね」
「そうした人に何度も言うものじゃないわ」
「だからなのね」
「彼は絶対に言うけれど」
「阿波野君は」
「彼のお話聞いてるとやっぱりしつこい人ね」
阿波野君が自分で言っている通りにというのです。
「それもかなり」
「そうした人だから」
「そう、千里の先輩にも言うわ」
先輩がしたことについてというのです。
「そして絶対に許さないわね」
「その阿波野君に先輩のことわかって欲しいけれど」
「正直わかろうともしないわよ」
「阿波野君は」
「嫌いな人を全否定するタイプだと思うから」
「わかるの?」
まさにその通りです、私はお母さんに驚いて言葉を返しました。
「そのことが」
「ええ、何かそんな風に思ったの」
「あの子嫌いなことは本当に嫌うの」
文字通り徹底的にです。
「自分でも嫌いになると止まらないって言ってるの」
「やっぱりそうね」
「そうなの、人でもものでもね」
「そうね、そんな子でしかもおみちに熱い子ね」
「教会にいて欲しい位に」
私もこう思う位です。
「そんな子なの」
「だったらね、許せないって思って」
「先輩のこと余計に嫌うのね」
「暴力は振るわない子ね」
「それはないから」
そうした子ではないです、確かに嫌いになると止まらないですが暴力を振るう様な子では決してないです。
「あの子はね」
「そのことは安心していいわね」
「ええ、ただ嫌って嫌い抜くから」
この場合特に困ったことにです。
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