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夢幻水滸伝
第百九十九話 アミンの決断その十二

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「考えてあるしな」
「その切り札ですね」
「そや、その切り札は日本におる」
「日本ですか」
「あの国にな」
「日本といいますと」
 どうかとだ、ブッパースウォングが言ってきた。
「最も星の人が多い国ですね」
「そして私達が今起きた世界でおる国や」
「左様ですね」
「その日本にな」
「切り札がいると」
「そや、もう後は連絡してな」 
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「切り札を用意する」
「それだけや」
「そうですか」
「確かに国力では圧倒的な差がある」
 今の自分達とインドネシアではとだ、リーはこのことは認めた。むしろ彼が最もわかっていることである。
「これはどうにもならん、しかし人材はな」
「ちゃうと」
「そや、インドネシアの星のモンは二人でな」
「こちらは七人ですね」
「この差がある、そこでや」
「さらにですか」
「用意するんや」
 今度は強い声であった。
「今すぐに」
「そういうことですか」
「そや、そしてな」
「戦を挑み勝ちますか」
「今は迅速に動いて」
 そしてというのだ。
「仕掛ける時やさかいな」
「実際にすぐに連絡をして」
「そしてな」
「戦いますか」
「そうするで、この世界にはこの世界の戦の仕方がある」
 リーの言葉は決然とさえしていた。
「それをやるんや」
「この世界の、ですか」
「そういうことや」
「それはわかりましたが」 
 ティンはここまで聞いてからリーに言った。
「ですが」
「それでもやな」
「はい、その切り札が」
 それがというのだ。
「まだ具体的に何かが」
「聞いてへんな」
「日本の星の人ですね」
 ティンもそれはわかった。
「その人達の力を借りると」
「そや」
「そうですか。ですが日本と我々は今は」
「これと言って縁がないな」
「商人の往来がある位で」
 貿易はしている、これは太平洋全土のことである。
「その他は」
「これといってな」
「交流もなく」
 それでというのだ。
「星の方も。それがしも全ての星の人は知りませんが」
「そうか。知るのは武器や」
 リーは口元と目元だけで微笑んで述べた。
「そういうことや」
「知ることがですか」
「そや」 
 まさにというのだ。
「それが答えや」
「そうなのですか」
「星のモンも同じや」
「全ての人を知ることですか」
「そうしたらな」
 それならというのだ。
「それが武器になる」
「知識自体が武器ですね」
「ここで言う知識とは情報や」
「情報を手に入れることは武器である」
 アルフィアンも言った。
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