第百九十九話 アミンの決断その十一
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「あの果物は」
「僕は好きです。ですが」
「好き嫌いがな」
「激しいですね」
「あの匂いがな」
「どうか、ですから」
「日本ではそうそう手に入らん」
自分達が起きた時にいる国ではというのだ。
「あることはあってもな」
「高いですね」
「ほんまな」
リーもこのことについては苦笑いだった。
「それが難儀やな」
「ほんまにそうですね」
「そやけどこっちではな」
「寝た時に来るこの世界では」
「地元におるさかいな」
世界は違えどというのだ。
「そやからな」
「食べますね」
「そうしよな、他にも果物はあるが」
それでもというのだ。
「ドリアンもな」
「食べますね」
「そうしよな」
「今から」
こう話してそうしてだった。
二人はデザートも食べた、特にドリアンを楽しんだのは言うまでもない。マレーシアもまた国家連合に入った。
その次の日早速だった。
リーは国家連合の星の者をシンガポールの自身の官邸に一同に集めた、そうしてそのうえで彼等に言った。
「今より戦の用意や」
「まだ兵は動いてますし」
「それで、ですか」
「そや、このままや」
アルフィアンとハリムに答えた。
「兵を集結させてな」
「そうしてですか」
「すぐにインドネシアとの戦に入りますか」
「インドネシアは今国内の各地に軍を送って星のモンもジャカルタにおらん」
首都であるこの街にというのだ。
「そやからな」
「今のうちにですか」
「兵を集め」
「そうしてですか」
「戦に入りますか」
「電撃戦というが」
リーは第二次世界大戦でドイツ軍が使用した戦術を出した、機甲部隊と航空機を使い敵に宣戦布告と同時に強烈な一撃を与えそこから敵領土に一気に侵攻する攻撃力と機動力の双方を使った戦術である。
「やっぱり戦は即座にや」
「そして敵の意表を衝く」
ティンが応えた。
「そのうえで一気に攻めて」
「戦の主導権を握ったままや」
「勝つことがええですね」
「やるんやったらな」
戦、それをというのだ。
「それでや」
「今回我々は」
「そうしてく」
その様にして戦うというのだ。
「戦うのは今や」
「先にタイやベトナムをとはしませんか?」
チュットはどうかという顔で述べた。
「特にタイを」
「やっぱりそう思うな」
「インドネシアは大国ですから」
「今の我々やと勝てへんな」
「どれだけ兵を分散させてる状況でも」
そのインドネシアがというのだ。
「勝つのは難しいので」
「そう思うからこそな」
「それ故にですか」
「戦うって言うたな」
「はい、二倍以上の国力の相手にも」
「そうするで、そしてその為の切り札もな」
これもというのだ。
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