第百九十九話 アミンの決断その八
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「そやからな」
「だからですね」
「この度はですね」
「リー様とお会いしますね」
「その様にされますね」
「そうするわ」
こう言ってだった。
アミンはすぐに移動の術を使ってクアラルンプールから即座にシンガポールとの国境に赴いた。するとそこにはリーが一人でいた。
リーはアミンが自分の前に来ると彼に笑顔で声をかけた。
「よお来てくれた」
「はい、ですが」
アミンはリーに怪訝な顔で応えた。
「使者からの話は」
「その話は今から食べながら話そか」
「食事を摂りつつですか」
「気軽にな」
笑って言うのだった。
「そうしよか」
「そうですか、では」
「中華でええな」
「基本豚肉は駄目ですが」
アミンはこのことは笑って断った。
「そういうことで」
「そやな、それはな」
「はい、アッラーは謝罪すれば許して下さいますが」
豚肉を食べる位はというのだ。
「仕方ない時は」
「けど積極的にはな」
「食べるものではないので」
「それはわかってる、そやからな」
「そのことはですね」
「配慮してな」
そしてというのだ。
「作ってもらってる」
「左様ですね」
「そやからな」
「これよりですね」
「今から食べながらな」
「話すのですね」
「そうしよな」
リーの方から言ってだった。
二人は会談を食事を摂りつつ行うことにした、すぐに蒸し餃や小龍包、饅頭や餅それに海鮮ものや野菜が上に多く置かれた汁の麺が出された。青椒肉絲もある。
そういったものを食べつつ会談となった、アミンは麺に箸をやりつつ自分の向かいの席にいるリーに言った。
「それでなのですが」
「条件やな」
「はい、国家連合に入ってですね」
「こっちのな」
「そうして関税等を一切なくし」
「往来を自由にしてや」
リーは蒸し餃子を食べつつ答えた。
「そしてや」
「民の立場も同じですね」
「軍も一緒にやってく」
「そして僕も」
「私達と一緒に働いてもらう」
「仲間としてですね」
「そうしてもらいたいが」
アミンのその目を見て問う様にして言った。
「どないや」
「戦をしているというのに」
「それでもや」
「その条件で、ですか」
「来てもらいたいが」
「あまりにも条件がええのでは」
「いや、戦で降してもこの条件を出すつもりやった」
リーは微笑んで答えた。
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