第四百六十二話 ウィッチとライダーその十五
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「好きなだけ飲め」
「少佐のお酒ですの!?」
「そうだ、何本もある」
今度は一升瓶を次から次に出してきた。
「遠慮せず飲め」
「少佐のお酒でしたら」
ペリーヌはその両目をきらきらとさせて応えた。
「そうさせて頂きますわ」
「うむ。皆で飲んで楽しもう」
「それでは」
「すき焼きにはこれね」
ミーナは早速飲みはじめていた。
「日本酒ね」
「そうだよね」
「はい、よく合います」
常盤に飲みながら応えた。
「幾らでも飲めます」
「俺もだよ。ただ中佐ってね」
「どうしました?」
「飲む過ぎても人間性変わらないよね」
「はい、特に」
これといってという返事だった。
「ないつもりです」
「だといいよ」
「ただ。歌うことはあります」
これはというのだ。
「私は」
「元々歌手だから」
「はい、ですから」
それ故にとだ、ミーナは微笑んで答えた。
「そうした時もあります」
「じゃあその時は」
「聴いてくれますか」
「お願いするよ」
「わかりました」
「そういえばですけれど」
ひかりも飲みながら言ってきた、見ればひかりもよく飲んでいる。
「ウィッチって歌が上手な人多いですね」
「そうか?」
「直枝さんも」
「俺は下手だろ」
「いえ、上手ですよ」
「自覚ねえけれどな」
すき焼きの肉を食べつつ答えた。
「俺もなんて」
「いえ、本当にです」
「俺も歌上手か」
「はい」
実際にというのだ。
「この前お風呂の時鼻歌歌われてましたけれど」
「そうなんだな」
「歌手にもなれますよ」
「俺が歌手なんてな」
苗雄は今度は飲みつつ応えた、いい飲みっぷりである。
「柄じゃねえな」
「私もいいと思いますが」
アレクサンドラも言ってきた。
「中尉も歌手になれます」
「そうか?」
「はい、目指されては」
直枝に微笑んで述べた。
「前向きに」
「そう言われても興味ないしな」
直枝自身はだ。
「俺は軍人一筋だよ」
「そうですか」
「だから歌手なんてな」
そちらの道はというのだ。
「いいさ」
「そうですか」
「そして今はな」
「ショッカーとですね」
「戦わないとな」
こう言うのだった。
「本当にな、それじゃあな」
「これからもですね」
「訓練して強くなっていこうな」
こう言ってアレクサンドラに酒を勧めた、そうして今はすき焼きと酒を楽しみ続けた。それは非常に楽しい時間だった。
第四百六十二話 完
2021・3・1
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