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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(5)~ヘルマン・フォン・リューネブルクの登場
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押し寄せてくるぞ!
現状で艦を上げるのは発見の危険がある。通信封鎖を事前に行なっているが、艦を上げればここに我々がいると大音声で叫ぶような物だ」
正論であった。本来到着するはずであった補給便も護衛隊も――即ち補給基地の増設やら集積地としての機能を作り上げるはずのあれこれが届かず、この星で過ごす平穏であってほしい日々の4日目にして彼らは手持無沙汰となっていた。
つまり彼らは既に主力から孤立しているのである。
それも連絡線の遮断を目的とした部隊なのか、こちらに気づいているのか、それもわからない。何もかもが不明であった。
さらに付け加えれば同数以下であってもこちらが戦えるかは甚だ怪しい。
基本的な艦隊機動ですら脱落しかねない旧式艦の部隊すら混ざっているのがグリンメルスハウゼン艦隊であった。
「であれば、陸戦を行うことになりましょう。想定される敵戦力は少なくとも一個師団、場合によっては軍規模が駐留していると見るのが妥当でしょう」
淡々と説明をしながら、リューネブルクはこのままでは泥沼に足を踏み入れるのではないか、と危惧していた。
そも、このような“老貴族の老後の為”の参戦に非主流派貴族達が便乗した後備艦隊の艦隊陸兵監など押し付けられたのだからさもありなんであるが。
「こちらの戦力は‥‥‥」
参謀長は苛立しそうにそれを遮った。
「艦隊陸戦隊は10万の戦力を動員し、更に艦隊のワルキューレ隊の支援を受けられる、何も心配ないだろう」
参謀長が視線を向けるが単座艇監は肩をすくめるだけで返事をしない。
それもそうだ、彼の部隊は宇宙空間でスパルタニアンと殴り合うのが仕事であり大気圏内で“地上軍航空隊”の仕事をやらされるのは御免であろう。
そして単座艇監はまっとうな貴族軍人であり、リューネブルクは――同盟軍から離反した逆亡命者である。彼は爪弾きにされたからこそここに放り込まれた男だ。
「はい、参謀長閣下、懸念材料は専門将校の数が足りないことのみです。
本式の地上戦の訓練を受けているのは小官の装甲擲弾兵師団の他は”前進伯”フランダン大佐の装甲重火力旅団と”接弦男爵”エルビング大佐の強襲連隊のみです。この3万の戦力以外――7万は予備陸戦隊として各艦から抽出した部隊であります。彼らは艦隊兵としての訓練に追加された予備陸戦訓練のみを受けており‥‥‥」
リューネブルクは咳払いをした。
「‥‥‥無論、彼らは訓練の不足をカイザーと司令官閣下への忠誠で補っております。主攻正面を我々が担い、なおかつ重火力隊の潤沢な支援の下であれば司令官閣下の武威を示すでしょう」
単座艇監と一部の幕僚が笑いをこらえるかのようにせき込んだ。要するに”問題外である”といっているのだから致し方あるまいが。まぁ宇宙軍の兵士として多少なりとも
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