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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(5)~ヘルマン・フォン・リューネブルクの登場
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探査機を上げますか?」
その場合は自身の存在を高々と吠えるのと変わらない。一応は惑星表面を走査してから着陸したのだが‥‥念入りな偽装を施された基地であれば自分達は既に叛徒の腹の中で馬鹿騒ぎを始めることになる。
「いや、その必要はないようだ」
雪と氷の丘に一人の男が姿を表した。
明らかに遺伝子改良を受けた長毛の駱駝に跨っている。
「 侵略者諸君!!!自由惑星同盟がユースフ・ターイー大佐の使者として御挨拶を申し上げる!この地は我らの盟友ヴァンフリート人民の住まう国である、直ちに僭主の下へ帰還されよ!」
その声は若々しい、中隊長は面白そうに大尉ですな、若造です。と囁きかけた。
「これより先には栄誉は無い。在るのは絶え間無い殺戮による無明の未来。
自由の旗の下に100の諸邦より集いし兵の授ける死が貴公らの名誉に取って代わるであろう。大人しく騒々しい古船の群れごと引き上げよ、さもなくば我らに投降するが良い」
帝国軍に向けサーベルを抜き放ち、向けた。
「 重ねて申し上げる。ユースフ・ターイーの言伝は、諸君らの親しき者らの下へ帰郷する最後の機会である!」
中隊長がにやりと笑い、伯爵に視線を向けると伯爵はやれやれ、と言うように肩をすくめ、頷いた。
戦車は氷原を踏み締め、駱駝の騎手と対となる丘陵へと登る。
戦車から飛び降りた中隊長が声を張り上げる。
「我が主、”前進伯”フランダン伯爵閣下の名代として我が皇帝陛下の宸襟を乱す叛徒に言い渡す!
叛徒の中にも我らの礼儀を知るものがいるのであれば応えよう!
遍く人類の住まう星々はすべて皇帝の地であり、貴殿らはその威光を知らぬ化外の民であるにすぎない!
今すぐ皇帝陛下の威に服し同じ天を仰ぐのであれば相応の遇をもって偉大なる皇帝陛下に服する栄誉を与えようではないか」
戦車を指揮する帝国将校と駱駝に跨る同盟軍将校が睨みあった。
“叛徒”の大尉が天に向け、ブラスターを放つ。わ背後から偽装をつけた駱駝騎兵が背中にくくりつけたハンドキャノンを向けた。
「撃てェ!」
こうして帝国軍と同盟軍は偵察部隊同士の遭遇戦が始まった。
火力において“節制帝の胡桃割”‥‥‥フランダーン伯の率いる部隊が優勢を得ており、“叛徒”は即座に後退を開始した。
戦死者は片手で数える程の“やる気のない”小競り合いがヴァンフリート4=2における人類史上初の戦闘となった。
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ヘルマン・フォン・リューネブルクは艦隊司令部でその報告を嫌々行っていた。
「それでひとまずは追い払った、と。‥‥‥で?」
「艦を上げて支援をいただければ」
手っ取り早く済ませよう、という意見に怒りを示したのは艦隊参謀長である。
「半端な数を上げてみろ!敵艦隊が
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