”エガオノキミへ”
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そして。
「満開! 勇者アアアアア、パアアアアンチ!」
最後に変身した右腕、胴体と同時に、白い武装もまた拳を放つ。
それは、とっさに出された美森の光線と相殺され、爆発を引き起こす。
「友奈ちゃん……」
そして。
友奈の全身を、無数の花びらが覆いつくす。
舞い散る花びらの中、満開___鋼の拳を持つ機械を纏った友奈は、しっかりと美森を見ていた。
「たとえそこか地獄でも、私は、勇者でい続ける! 今までも、これからも!」
銀色に輝いた花が、ムーの闇を彩る。
方舟と鋼の剛腕が激突する。
そのまま、二つの神の御使いは、戦いを繰り広げる。
遺跡を破壊しながら、それらは互いを狙う。
美森の光線が乱れ打ちされ、貴重な遺跡を次々と砕いていく。爆炎を突き抜け、友奈は美森の前に躍り出た。
「千回連続! 勇者パンチ!」
友奈の拳より放たれる、超高速連打。目にも止まらぬ速さの連撃だが、それに対して美森は、焦ることなく友奈の一撃一撃を打ち落としていく。
「……!」
「見えてるよ。友奈ちゃん!」
美森は目を鋭く告げる。
「友奈ちゃんの動きも、呼吸も、体温も、脈拍も心臓も瞳孔も何もかも! そんな友奈ちゃんが、私に勝てるわけがないんだよ!」
美森の方舟が唸り声を上げた。全ての銃口が友奈へ向けられる。
「だから、私に負けてよ! 私と一緒に、このムー大陸で暮らそうよ!」
友奈の拳が千発なら、美森の発射もまた千発。拳一つ一つと打ち消し合い、消滅していく。
「友奈ちゃんが笑顔になってよ! 誰かのために戦うんじゃなくて、君は笑顔になってよ!」
「できない……できないよ!」
友奈は跳び上がる。機械の剛腕が齎す起動力が、さらに続く美森の攻撃からの退避を可能とした。
だが、それをみすみす逃す美森ではない。方舟が轟音とともに、動きを表していく。
「また誰かのため!? 友奈ちゃんは、少しは自分のことを考えてよ!」
美森の方舟より、無数の光線が発射される。動き回る友奈を狙って、縦横無尽に好戦が発射される。
これ以上は避けられない。友奈はムーの天井を蹴って、一気に美森との距離を詰める。
だが、美森も咄嗟に長銃を向ける。友奈の拳とタイミング相まって、それぞれの武器が横に反らされ、体と体がぶつかる。
「っ!」
方舟の甲板で転がる友奈。さらに、美森は追い打ちとばかりに、両手の銃で狙ってくる。
「させない!」
友奈は体を大きく傾けて、美森との距離を保ちながら避ける。そして、一気に甲板を蹴り。
「満開! 勇者パンチ!」
友奈自身と、備え付けられた剛腕。その両方の拳が、美森の銃を砕き。
その体を貫い
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