第一章
[2]次話
動画を編集し投稿して
ふわりを捨てた直後喫茶店でふわりを捨てて清々していた百田家の夫婦の状況を撮影した女子高生は学校で友人達に話していた。
「当人さん達は全く気付いてないけれど」
「ご近所の嫌われ者になったのね」
「犬を捨てたことが知れ渡って」
「そうなったのね」
「それで親戚の人達全員からも絶縁されて」
そうなってというのだ。
「インスタグラムでも平気で犬捨てたって言ってね」
「炎上ね」
「そうなったのね」
「それはなるわよね」
「可愛がっていた犬を平気で捨てたんだから」
「それももういらないで」
友人達もその話に頷いて口々に言った。
「清々してるんだから」
「嫌われて当然よ」
「それ平気で言ったのよね」
「それじゃあ親戚全員から絶縁もされるし」
「インスタも炎上するわよ」
「お付き合い出来る人って同類だけでしょ」
ペット、家族を平気で捨てられる輩だけだというのだ。
「世の中そんな人達もいるけれど」
「実際にあの人達がそうだしね」
「まあ少数派よね」
「普通そんな人いないわよ」
「そうよね」
「それでね」
女子高生は友人達にさらに話した。
「もう一つ動画見付けたのよ」
「動画?」
「もう一つって?」
「見付けたって?」
「この動画ね」
自分のスマートフォンを見せた、そしてその動画は。
保健所の薄暗いコンクリートと鉄格子の中で一匹の濃い茶色の毛の目と鼻の間も足も短い小さいトイプードルが鉄格子の中で座って必死に悲しく鳴いている姿だった、誰かを呼んで求めている様に。
友人達にその動画を見せてだ、女子高生は話した。
「この娘がふわりなの」
「その捨てられた娘ね」
「可愛がってもらってたのに」
「いらないって捨てられた」
「その娘ね」
「そう、ずっと見てきたからわかったわ」
この犬がふわりだということがというのだ。
「この娘がふわりなの。毛の色も目も大きさもスタイルも鳴き方からもわかるわ」
「物凄く必死ね」
「悲しそうね」
「飼い主の人達に捨てられて」
「それでも呼んでるのね」
「そうみたい、保健所の説明も載ってるけれど」
動画の下にそれがあった。
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