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喫茶店での愚かな会話が
第一章
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               喫茶店での愚かな会話が
 ふわりを捨てた百田家の夫婦は彼女を保健所にそうすると車を喫茶店に向けた、そして妻は赤子を抱いてコーヒーを飲みつつ笑顔で言った。
「もうこれでね」
「ああ、五月蠅いのがいなくなってな」
 夫は煙草を吸いながら妻に応えた。
「いいな」
「そうよね、本当に五月蠅いったらありはしなかったわ」
「犬ってそうだよな」
「折角飼ってあげたのにね」
「朝から晩まで鳴いてな」
「赤ちゃんも私も参るところだったわ」
「もう犬なんて飼うものじゃないな」
 夫は悠然と煙草を吹かしながら妻に応えた。
「邪魔なだけだ」
「そうね、二年九ヶ月位一緒にいたけれど」
「もういいな」
「殺処分にされるのよね」
「保健所に送ったからな」
「じゃあもうね」
 それでとだ、妻は言った。
「いいわね」
「運がよかったら誰かに保護されるさ」
「まあそれでも私達に関係ないし」
「どうでもいいな、もう」
「もういらないからね」
「ふわりのことはどうでもいいな」
「これからは赤ちゃんと三人よ」
 妻は自分達の子供を見ながら言った。
「ふわりなんて最初からいらなかったのよ」
「全くだな」
 二人で明るくコーヒーを飲みながら話していた。二人は店の中でリラックスして話していた。だが。
 その二人を少し離れた席で見ている女子高生達は彼等を見て顔を顰めさせていた。
「何あの若い夫婦」
「犬捨てて清々してるわね」
「何か前に犬飼ってたらしいけれど」
「捨てて平気じゃない」
「何あれ最悪」
「命何だと思ってるのよ」
 笑いながらふわりを捨てたことを喜んでる彼等を見て顔を顰めさせていた。
「殺処分されてもいい?」
「運がよかったら保護されるって」
「もういらないって」
「五月蠅いとか邪魔とか」
「ワンちゃん可哀想でしょ」
「最低な連中よ」
「あの人達知ってるわ」
 ここで一人が彼等を見て話した。
「私の近所の人達よ」
「そうなの」
「あんたのご近所さんなの」
「そうなの」
「百田さんって言ってね」
 見ればその女子高生は自分のスマートフォンを出している、そして二人の会話を映像つきで撮ってもいる。
「旦那さんはサラリーマンで一軒家に住んでいてね」
「ワンちゃん飼ってるの」
「そうなの」
「ふわりって言ってね、今実際に名前言ったけれど」
 友人達にこのことも話した。
「トイプードルの女の子なのよ」
「あの小さくて縮れた毛の犬ね」
「耳が垂れてる」
「あの子よね」
「そう、あの人達その娘を凄く可愛がっていてね」
 それでというのだ。
「いつもお散歩に連れて行ってご近所の人達にも見せて自慢していたのよ」
「それで捨てたの?」
「可愛がっていたのに」
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