天使とラブソングを……?「裏エンディング」(第16.5幕)
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す!」
「オブラートに包まないと飲めないほどの歌だった?」
……と、ジョン・ドゥは音楽の知識があるみたいだが、相手が悪いらしく話は噛み合わない。
当然である。
この女は天性の素質で歌がうまいだけで、音楽の知識は皆無なのだ。
基本的に馬鹿では無いのだけれど、興味の無い事柄にはとことん無知なのだ。
そんな訳で、意味の解らない事を言ってくる男の事よりも、大好きな父親の下へ行きたい欲が溜まり……
「あの……何言ってるのか解らないのよ。それよりも私、忙しいんだよね」
と珍しく冷たい返答。
「あ! ご、ごめんなさい……そ、そうですよね。王家の方々のお相手をしなきゃならないんですよね」
「え、王家? ん? あ、ああ……そう! そうなのよ。王家の方々のね……そうなのよ!」
相手の勘違いを都合良く利用する姉。まぁ“王家”という意味では嘘は言ってないのだけど……国が違うだけね。
大義名分が出来たお姉ちゃんは、フローラルな残り香を残しジョン・ドゥの前から去って行く。
さて……時間稼ぎをする必要も無くなった事だし、私はちゃんと王家の方々にご挨拶をしておこうと思う。もう一人の王家の方は、きっと失礼な事を言ってから立ち去ったはずだろうから。
「あ、あの……フレイちゃん!」
「……はい?」
興奮が冷めたのか否かは判らないが、突如ジョン・ドゥが私に話しかけてきた。姉を諦めて妹に乗り換えようとか、そんなふざけた魂胆で無い事を祈る。
「あ、あのね……君のお姉さんは……如何な男性が……その……こ、好みなのかな?」
「……………」
如何しよう……手斧が欲しい。
「あ、いや、あの……と、友達の友達から聞いてくれって頼まれちゃって……」
『友達の友達』って、行って来いで自分の事だろ!
お前みたいないさぎの悪い男など絶対義兄になんてさせないからな!
「おーほほほほっ! あの娘の事なら、妾が詳しいですわよ」
ジョン・ドゥに苛立っていると、後ろからこの場では聞こえちゃダメな女の声が聞こえてきた。
恐る恐る振り向くと、案の定ポピーさんがそこに居た。目眩がする。
王家のご臨席と言う事で何時もとは違って豪華なドレスを身に纏い、もうすぐ生まれ出る赤ちゃんがいるお腹を愛おしそうに摩りながら、ニヤけ面を我慢できないのか煌びやかな扇を広げて顔を半分隠して、その人は目の前に立っている。
「お、王太子妃殿下!」
「苦しゅうない……妾の事はポピレアと呼びたもれ」
王家の生まれで王家の人なのに、王族っぽいしゃべり方に慣れてなく語尾が安定しない。
「は、はい……ありがとうございますポピレア様。そ、それでリュリュさんの好みの男性とは?」
この男も王族の登場にパニクって当初の目的を忘れろよ!
なに一貫して自分
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