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ジャンプには注意
第二章

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「遊ぶだけで」
「そういえばふわりを可愛いって言うだけだったな、二人共」
「他に何もなかったな」
「ああ」
 洋介も答えた。
「全然な」
「ふわりの内面もトイプードルがどんな犬かもな」
「勉強してなかったんだな」
「二人共俺達と違って学校の勉強はしたがな」
 それでもというのだ。
「他の勉強は全くだ」
「犬のことも世の中のこともか」
「中身はガキのままだ」
 つまり全く成長していないというのだ。
「だからな」
「ふわりのそうしたこともか」
「勉強しようとも思わずな」
「怪我してもそのままだったんだな」
「怪我したとしてもな」
 ふわりがというのだ。
「そうだたんだ」
「つくづく飼い主失格な連中だな」
「今の連中の子供も同じだ、見てろ近いうちに今以上にとんでもないことになるからな」
 父はこうも言った。
「あいつ等は」
「それいつも言うな」
「すぐわかる、兎に角ふわりの動きのことはな」 
 またこのことについて言うのだった。
「注意しろよ」
「怪我しない様にか」
「そうだ、散歩の時も遊んでいる時もな」
「わかったよ、ふわりこれからはそうしたことも気をつけるからな」
 洋介は父との話の後でだった。
 ふわりに笑顔で声をかけた、すると。
 ふわりはおもちゃを咥えたまま彼に身体を向けた、そして黒いつぶらなきらきらとした目で彼を見た。
 洋介は彼女の頭を撫でた、そうしてまた言った。
「お前が怪我したら大変だしな」
「ワン」
 ふわりはおもちゃを一旦下に置いてから一声鳴いて尻尾を左右に振った、洋介はそんな彼女を見て絶対に怪我なんてさせないと自分に誓ったのだった。


ジャンプには注意   完


                 2021・5・27
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