芸術は爆発だ
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生とともに小鳥になったそれは、迷わずに遺跡の一角へ向かい、爆発。
そして。
「友奈ちゃんに手を出す不埒な輩は、私が許さない!」
爆炎より飛び出してきたのは、見紛うことなどありえない。
親友。
「東郷さん……」
東郷美森以外の何者でもなかった。
「友奈ちゃん、大丈夫!?」
美森はふわりと浮かびながら、友奈に近づく。
友奈は頷き、つま先から頭まで美森の姿を確かめた。
「東郷さん、どうしてここに?」
「ああ、友奈ちゃん、友奈ちゃん……! この前はごめんなさい……」
美森は友奈の言葉を聞かず、友奈の頬を両手で掴んだ。
「え? 何? 何のこと?」
「結局友奈ちゃんに銃を向けるなんて、私、なんてことを……!」
「東郷さん? もしかして、今操られてないの?」
「ええ、そうよ友奈ちゃん!」
「わわわっ! 東郷さん、顔近い近い!」
ぐいっと顔を迫らせる美森に対し、友奈は抑える。
だが、それでこの才色兼備の少女は止まらない。
「ああ、友奈ちゃん友奈ちゃん! 友奈ちゃんをここまで傷つけたアイツを、一緒に懲らしめよう!」
「え? あ、う、うん」
友奈は戸惑いながらも頷いた。
そして、美森とともに爆発男を見上げた。
爆発男は舌打ちし、友奈たちを見下ろしている。
「チッ、めんどくせえ。こうなったら、お前らまとめて爆発だ! うん!」
彼は手のひらより生み出した、鳥たちを放つ。縦横無尽の動きをする鳥たちだが、美森が狙撃し、打ち落とす。
「友奈ちゃん!」
「うん!」
美森の掛け声に頷いた友奈は、走り出す。
「行くよ、勇者パンチ!」
桜の花の形をした光とともに、友奈は拳を突き出した。
だが、爆発男もそれをただでは受ける気など当然ない。彼が投げ、煙とともに現れた新たな爆発物は。
「ムカデ!?」
「お前の体術も、コイツで無意味だ! うん!」
巨大なムカデは、友奈の体に巻き付く。解除された勇者パンチは、そのまま霧散し、花びらとなってムーの空間を彩る。
「まさに、儚く散りゆく一瞬の美。これこそ、爆発だ! 喝っ!」
「させない! 護国弾 暁風!」
美森が放つ、嵐のような銃弾。それは、友奈の体に巻き付くムカデを的確に射撃し、その体をバラバラに分解していく。
「今よ! 友奈ちゃん!」
「うん! ありがとう、東郷さん!」
小さなパーツになった粘土とともに降り立った友奈は、再びジャンプ。
「勇者あああああああ! 爆裂パアアアアンチ!」
今度発生した花びらは、先ほどのものよりも倍以上の大きさ。
爆発男は思わず、乗っていた鳥より飛び降りた。同時に、友奈の拳は鳥の胴体に命中。
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