芸術は爆発だ
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、次はお前だ。記念すべきムー大陸、三十人目だ。芸術的な表情で爆発してくれ。うん!」
投げられた粘土。今度は、先ほどのような固形物ではなく、小さな丸い粒の雨だった。
「っ! 勇者、連続パンチ!」
友奈はそれに対し、パンチを放つ。拳が粘土を突き飛ばすたびに爆発が起こり、友奈に少なからずのダメージを与えてくる。
「このおおおおおおおおおおお!」
爆発の第一陣を潜り抜け、友奈は男へ接近。
「へっ! いいねえ。うん!」
だが、この金髪の爆弾魔は、さらに粘土を投げる。そして、手元でまるで忍者のような印を組み、唱えた。
「喝っ!」
「!」
引きおこる爆発。それは、友奈を大きく吹き飛ばし、地面を転がさせる。
「接近戦タイプか。オイラの恰好のカモだな。うん」
さらに、男に大きな煙が巻き起こった。
「今度は何!?」
友奈が顔を手で覆い、煙が晴れるのを待つ。
すると、そこには巨大な鳥がいた。
「うんうん。少しは楽しめそうだな。……うん」
羽ばたく鳥の背中に乗り、浮かび上がる男。それを見上げながら、友奈は思った。
「あの大きなのも爆発するの!?」
「そうだが、いきなり大味ってのも芸がない。まずはコイツだ! うん」
そういって、彼が鳥より友奈のもとへ飛来させたのは、小鳥たち。男が乗る鳥に比べて小さいが、その分機動性に優れ、すぐに友奈へ接近してきた。
「勇者、かかと落とし!」
友奈はそれらを次々に蹴り落としていく。だが、爆発物という都合上、一つでも体に張りつけさせるわけにはいかない。
「ダメだ、このままじゃ……!」
友奈は飛び退き、男から距離を置く。
だが。
「……え?」
いつの間に。あるいは、予めか。
友奈の肩に、粘土の蜘蛛がいた。
「っ!」
目を大きく見開くも、それはもう止まらない。
「うわっ!」
慌てて友奈はそれを引き剥がそうとする。だが、八本の足には粘着性があるのか、友奈の手を無視して体の上を蠢く。
「や、やめて! 来ないで!」
やがて顔に張り付いた蜘蛛を、友奈は必死で引き剥がそうとする。だが、蜘蛛は友奈の顔に根付いたかのように離れない。
そして、蜘蛛は男が放った粘土たちと同じように爆発する。友奈の顔が恐怖に染まった、その時。
破裂するような銃声が、友奈の顔から蜘蛛を取り去った。
「……え?」
「うん?」
男も、その状況には目を大きく見開いて驚いている。
「誰だっ!? うん!」
男は周囲を警戒した。様々な障害物が多いムーの遺跡の中、やがて彼はそれを見つけた。
「そこか!」
彼はそう叫び、粘土を投げる。煙の発
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ