暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第百九十九話 アミンの決断その六
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「どうもな」
「そやからですね」
「そや、戦よりもな」
「政ですね」
「無闇やたらと戦したがる奴はアホや」
 リーは忌々し気に言い切った。
「まさにな」
「そやからですね」
「そや、私はそんなアホになりたくないからな」
 それ故にというのだ。
「戦をするよりもや」
「穏やかにですね」
「やたら威勢がよくて暴力を振るう」
 そうしたというのだ。
「そんな奴が強いか」
「自分より力の弱い者には」
「何かあったら戦や皆殺しとか言う奴は前線に出てもや」
 それでもというのだ。
「何の役にも立たんかカルトや」
「カルトはですね」
「論外や、自分達だけが正しいと思って他のモンは認めん奴はな」
「彼等こそ許してはならないですね」
「自分達以外を殺して壊す、そんな奴等こそ認めん」
 リーは強い声で言った。
「ほんまにな」
「国にあれば癌となりますね」
 ティンもこう言った。
「そういった連中は」
「若し国を握ればな」
「もうその国は他者を一切認めず攻撃し続ける」
「とんでもない国になるわ」
「まさにカルト国家ですね」
「そうなったらもう終わりや」
 その国はとだ、リーはさらに強い声で言った。
「そやからな」
「絶対にですね」
「そうした連中は許さん」
「政を行う者として」
「この世界ではそうした大きな宗教もないしな」
「有り難いですね」
「ほんまにな、まあ兎に角私は戦は最後の最後や」
 行うにしてもというのだ。
「それでやってくで」
「わかりました」
「ほなそういうことで」
 他の星の者達も応えた、そうしてだった。
 リーはアミンがいるクアラルンプールに向けて使者を送った、その頃アミンは今の自国の状況に頭を悩ませていた。
 そうしてだ、周りの意見を聞いていた。
「カンボジア及びラオスから水軍が来てです」
「そこには大軍が乗り込んでいます」
「ミャンマーからも同じです」
「やはり万単位の大軍が来ています」
「そしてシンガポール、ブルネイも動きを見せています」
「我等よりも遥かに数の多い軍勢が同時に来ようと来ています」
「これだけの大軍に一気に来られると勝てんわ」
 アミンはその悩む顔で言った。
「我が国だけでは」
「やはりそうですか」
「この状況では勝つのは難しいですか」
「どうしてもですか」
「一方ずつならまだ対応出来るけど」
 それは可能だがというのだ。
「四方からそれぞれ万単位で来られると」
「難しいですね」
「まさか急にこうした事態になるとは」
「シンガポール侵攻を考えていましたが」
「それどころではないですね」
「先手を打たれた、いや」
 違うとだ、アミンは自分が出した言葉をすぐに訂正した。
「相手が二枚も三枚も上手やったか」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ