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夢幻水滸伝
第百九十九話 アミンの決断その五

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 アミンは何とか抑えて打ち消すが士気は下がった。圧倒的な兵の差そして星の者の数の前に勝てる筈がないと思いはじめたのだ。
 リーはそれを見てだ、シンガポールに移動の術を使わせて集めた仲間達に言った。
「さて、これでや」
「マレーシア軍の士気が落ちましたね」
 ブッパースウォングが応えた。
「間違いなく」
「国内特に軍に動揺が拡がってな」
「そうなりましたね」
「ここで軍を動かし続け」
「そしてですね」
「只の噂やなくな」
「こちらは実際に動いていることを見せる」
 ブッパースウォングは確かな声で言った。
「そうしてですね」
「そや、心理的に攻めてくんや」
「噂そして事実から」
「噂は耳から入って事実は目から入る」 
 リーはこうも言った。
「そうしていってや」
「戦っても勝てへんですね」
「そのことを強く思わせる、そしてな」
「ここで、ですね」
「使者を送る」 
 この手も打つというのだ。
「あちらにな」
「我々の中に入れってですね」
 チュットが言ってきた。
「そう誘いをかけるんですね」
「そや、敵が動揺したところでさらに仕掛けるが」
「戦やなくて」
「和でな」
 それでというのだ。
「仕掛ける、勿論降ったらな」
「その時はですね」
「もうそれでええ、マレーシアも加えて」
 そしてとだ、リーはチュットに話した。
「そのうえでな」
「あの国も治めて」
「そしてや」
「あの国も栄えさせますね」
「そうしてくわ、むしろ戦にならんとな」
「あの国をそのまま手に入れられるので」
「それだけええ」
 敵にならないことはというのだ。
「そやからな」
「今度はですね」
「使者を送る、それで会談をしたいな」
 リーはこうも言った。
「アミンとな」
「あいつともですか。悪い奴じゃないですしね」
 ハリムはリーがアミンとの会談を望むと言ったことを聞いて述べた。
「今は敵同士ですが」
「それでもな」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「会談もです」
「ええな」
「そう思います」
 ハリムにしてもだった。
「それであいつもマレーシアも加えましょう」
「そうしていこな」
「ではこれよりですね」
「使者を送るわ」
 マレーシアに対してというのだ。
「今よりな」
「リーさんは戦はされてもなのですね」
 ティンはしみじみとした口調で述べた。
「干戈を交えず戦禍が起こらないのなら」
「それで最善とな」
「お考えですね」
「血生臭いのは性に合わん」
 これがリーの考えだった。
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