第百九十九話 アミンの決断その三
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「それで懲役になったが」
「不服だったそうですね」
「こんな奴が更正する筈もないし」
「長い間牢に入れるだけで無駄ですね」
「牢に入れて飯食わすだけでも税金がかかるんや」
リーはこの現実を述べた。
「税金の無駄遣いと言うならや」
「こんな無駄遣いはないですね」
「何十年もこんな奴に飯食わすより」
税金でというのだ。
「もう即刻や」
「処刑すべきですね」
「そや、死刑廃止とかな」
リーはこの考えを軽蔑で以て述べた。
「何があってもや」
「しないですね」
「私はな。そして太平洋と地下世界の星のモンはな」
「どの人もですね」
「そんな考えはない」
一切というのだ。
「ええことにな」
「左様ですね」
「死刑を廃止にして」
「更正する筈のない外道に税金を使うなぞ」
「無駄もええとこや」
「全くですね」
「そして外道への死刑はや」
リーは目を怒らせて強い声で言い切った。
「もうや」
「苛烈なものにすべきですね」
「惨たらしいな」
そうしたというのだ。
「処刑にすべきや」
「そういうことですね」
「ただ女帝と雷帝は私等以上に苛烈でな」
「徹底していますね」
「私はあそこまでの処刑は考えられんし」
それにと言うのだった。
「行うこともな」
「出来へんですし」
「精々両手両足を切って内臓を取り出す」
「そして首を鋸でゆっくりと切り落とす位ですね」
「それ位でや」
それでというのだ。
「女帝や雷帝程はな」
「出来へんですね」
「そこまで苛烈ではないですか」
「そういうことやな、それでその女帝と雷帝は」
この二人の話をさらにした。
「今婚姻を結び同君の国家となってや」
「一つの国としてですね」
「国家を固めてる、もっとも領土が広大過ぎて民もかなり多くてな」
「しかも星の人も少ないので」
「その統治は進んでへんがな」
「そうなっていますね」
「そやから当分は外に向かわん」
インドとロシアはというのだ。
「それは有り難いことや」
「我々にとって」
「その間に我々はことを進めるで」
「そしてその為にですね」
「マレーシアをどうするかや」
「左様ですね」
「そや、あの国を攻めるで。ただ兵を送るだけやない」
ここでリーの目が光った、そのうえで言うのだった。
「城を攻めるのは下計や」
「そして人を攻めるのが上計ですね」
「この場合は人の心や」
「心理的に攻めることですね」
「マレーシアの民をな、特にな」
ここでさらに言うのだった。
「星のモンであり棟梁であるアミンをな」
「心理的にですね」
「攻めていく」
その様にしていくというのだ。
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