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イベリス
第六話 入学式の後でその八

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「犯罪者には犯罪者へのやり方があるのよ」
「ううん、過激ね」
「やられたらやり返せだしね」
「お姉ちゃんそうしたこともしっかりしてるわね」
「暴力は嫌いよ、けれどね」
 それでもというのだ。
「暴力にはね」
「負けないのね」
「そんなのに負けてたまるものかよ」 
 愛の言葉は強いものだった、それはまさに既に確固たる考えを備えていてそのうえで言っている言葉だった。
「そうでしょ」
「けれど殴られたり蹴られたら」
「だからそれは犯罪だから」
 それになるからだというのだ。
「そんなのにはね」
「負けないのね」
「そうよ」
 こう言うのだった。
「だからその時もね」
「いじめられたら」
「私に言ってね」
「録音したり録音したり」
「そのやり方教えるから。その後もよ」
「ネットに流すことも」
「一気に炎上させて」
 本気の言葉だった。
「そしてね」
「いじめた相手をやっつけるの」
「二度とお天道様の下歩けない様にしてやるわ」
「二度となの」
「ええ、もうそれこそね」
「そうなの」
「だから言ってね」
 いじめられた時はというのだ。
「どうせいじめする奴なんて碌な奴じゃないし」
「そうよね。自分より力が弱い相手を攻撃するなんて」
「腕力なり権力なりね」
「暴力を使って」
「そんな奴碌なものじゃないから」
 だからだというのだ。
「もう容赦なくね」
「やっつけるの」
「そうしてやるから」
 だからだというのだ。
「いいわね」
「お姉ちゃん過激ね」
「そうかしら、普通でしょ」
「いや、そこまでやるって」
「悪党には微塵の容赦もしないのは世紀末救世主もでしょ」
「あの漫画ね」
「あの人悪党にはそうでしょ」
 こう咲に言った。
「もう微塵もね」
「それはね」 
 咲もその漫画のことは知っている、そして読んでいる。この作品は最早不滅の作品となっていると言っていいだろう。
「そうだけれど」
「私暴力は振るわないけれど」
「それでもなのね」
「こうしたやり方もあるのよ」
「ネットを使うのね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「容赦なくやっつけてやるのよ」
「そうするのね」
「だからいじめに遭ったらね」
「その時はなの」
「私に言ってね」 
 従妹に年長者それも親戚のそれとしての笑顔で言った。
「いいわね」
「それじゃあその時は」
「そう、叔父さん叔母さんもいるし」
「お姉ちゃんもいるから」
「頼ってね、失恋した時もいじめに遭った時もね」 
 逆境の時もというのだ。
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