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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
マスター様とお兄様の間で揺れる海月の話
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取れないことに気付く。
「お栄ちゃん!これ…!」
「ひとつ聞きたいことがあってナ。なに、正直に答えりゃ悪いこたァしねぇヨ?」
分娩台、と言えばいいだろうか。
ともかく僕はそこに足を開いた形で固定され、お栄ちゃんにおちんちんとアナルを見せつけているような体勢になっていた。
そしてお栄ちゃんは僕のスケッチブックを手に取り、ページをめくっていくとあるところを僕に見せた。
そこに描いてあるのは
「こいつ…誰だい?」
「…!」
ゴッホちゃんだ。
ドスの効いた声で尋ねるお栄ちゃん。。
分かる。今すごく怒ってる。
「知って…どうするの?」
「当たり前さ、今ここに引きずり下ろして徹底的にぶん殴る。」
「…!!」
背筋が、ゾッとした。
「証拠は出揃ってるんだぞ、マイ。毎日毎日お前さんの夢の中に入り込んで、誑かしてるそうじゃないか?」
「たっ、誑かしてるって…そんな子知らないよ!」
もし正直に言えばゴッホちゃんはお栄ちゃんに殺られる。
ゴッホちゃんがどれほどの強さか知らないけど、きっとゴッホちゃんは自分への罰だと言って受け入れるだろう。
そんなのダメだ。
ゴッホちゃんは、僕が守らないといけない。
お兄ちゃんとして、妹のことは何がなんでも守らなきゃいけないんだ!
「嘘、ついたナ?」
「う、うそなんか…!」
「おいマゾ犬。一体いつからご主人様に対して嘘つくような悪い子になったんだい?じゃあなんで描いた?どうしてよく眠るようになった?こいつに会うためだろ?」
違う。
お栄ちゃんはきっとカマをかけているんだ。
こうやって脅せば僕がボロを出すと思ってる。
でも、今回ばかりはそうはいかない。
僕はお兄ちゃんだ。
妹の為に…妹の為に僕は
「妹のために僕は絶対に言わない。そうでしょ?」
「…え?」
声が、聞こえた。
お栄ちゃんのものではない。別の子の。
首を横に向けてみればそこには
「不思議に思ったの。ある日突然私達が舞さんの夢に入れなくなったから。」
「覗き見する趣味はなかったんだけど…その…アビーちゃんと一緒に大体のことは
観測
(
み
)
ちゃってるんだ。ごめんね、マイマイ。」
「アビー?ユゥユゥ?」
久しぶりに見る、
ソファーに座るふたりの姿が。
つまり…
「あびぃと楊貴妃殿が数日かけて調べてナ。てなわけで情報はぜぇんぶ密告済みサ。さぁ、あいつは何者かお前さん自身の口から教えとくれ?ナァ、お 兄 様 ? 」
「…っ!」
ゴッホちゃんが、僕を呼んでくれたその呼び方。
そう、ゴッホちゃんの情報はほぼアビーとユゥユゥによってお栄ちゃんに漏れている。
カマをかけたんじゃない。
お栄ちゃんはもう、全部知っている。
「だから僕はそんな子知らな
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