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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
マスター様とお兄様の間で揺れる海月の話
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彼女の顔をジッと見つめる
「ゴッホちゃん。」
「は、はい…なんでしょう?」
「この霊基の異常は…両手"だけ"じゃないよね?」
「…。」
ゴッホちゃんが、だんまりする。
霊基の修復の際、ゴッホちゃんの全身の霊基の情報が流れ込んできたんだ。
同じように、このボロボロで怪我だらけだった両手のように身体のあちこちにも霊基の異常が見られる。
「い、いえ…大丈夫ですよぉ…。」
「何が大丈夫なの?いいから見せて。」
「…!」
幸い、ゴッホちゃんの身体は小さく軽いため、ひょいと簡単に持ち上げられた。
そうしてよく見ると、服の隙間から見える首筋やお腹にアザのようなものが
「…。」
「お、おおおお兄様!?な、なにを!?」
気になる。
そうであって欲しくないと願うけど、霊基はもうそうなっている。
不安、心配。
ゴッホちゃんの服をやや強引に脱がすと、露になった背中には…。
「なに…これ…。」
アザだけじゃない。
切り傷、火傷、ひどいものだと爛れたような傷まである。
さらに雑に縫われた傷口。
悪意のある、品性の感じられない下品な言葉が書かれた刺青だってある。
これが…本当に霊基の異常によるもの…?
「み、見ないでください!!」
「っ!」
僕の手を振り払い、ゴッホちゃんは急いで服を着直すと僕から距離をとった。
「い、いくらお兄様だからといっても…見てはいけないものがあります…!」
「でもゴッホちゃん…それは…!」
「言ったはずです…これは霊基の異常だと…この世に召喚されてからゴッホは元からこうだと…これは…"罰"なんです…!絵を描くことしか出来ないゴッホの…一生かけても償うべき罪なんです!」
「…。」
絵を描くことが…罪?
それの罰?
じゃあ…なんで、どうして?
それじゃ絵を描くことが悪いことみたいじゃないか。
まるで…あいつと同じように…。
僕に絵を描かせなくしたあいつと…一緒だ。
「ゴッホの両手を治してくれたことは…お礼を言います。それではお兄様…短い間でしたが…。」
「ゴッホちゃん!待って!!」
そう言って一礼をすると、ゴッホちゃんはすぅ、と消えていく。
彼女の手を掴むため走った僕だけど、それは空を掴みそのまま転び、ひまわり畑に突っ込んでしまった。
「…ゴッホちゃん…どうして…?」
向日葵は、相変わらず空の上の太陽を見上げていた。
?
「…。」
最悪の目覚めだった。
ゴッホちゃんは、もういない。
もう、会えない。
なんとも言えない気分のまま僕は目覚めると…
「お栄…ちゃん?」
目の前にはお栄ちゃんが立っていた。
さらに、
「…っ!な、なにこれ!?」
自分が、身動きが
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