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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
マスター様とお兄様の間で揺れる海月の話
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「〜♪」
最近、マイの機嫌がいい。
鼻歌混じりに昼餉を作っているが、そんなマイの横顔はどこか楽しそうだ。
お散歩や逆あなるの際、艶っぽい嬉しそうな顔はするがこういった明るい笑顔は最近見たことがなかった。
おれにはよく分からないが、何かいいことがあるんだろう。
「お栄ちゃんお待たせ。ご飯にしよっか。」
「だナ。」
仕事切り上げ、台所へと向かう。
そこでやはり気になるものは気になるので、マイの笑顔について聞いてみることにしたが
「最近、妙に嬉しそうじゃないか。いいことでもあんのかい?」
「ううん。内緒。」
そう言い、マイはいつもはぐらかしていく。
おれと一緒に毎日こうして暮らせるのが嬉しいだとか、飯が上手くできたとか、ありきたりな理由をいつも話していく。
当然、これが真実じゃないことはおれだって分かる。
それと、変わったことと言えば
「じゃあお栄ちゃん。お仕事まで仮眠とるから、出来る限り起こさないでね。」
「お…おう。」
マイは、よく昼寝をするようになった。
仕事は夜遅くまでするから仮眠をとったり、家事を終えた後眠くなってそのままうたた寝することはあった。
だが、何かおかしい。
前と比べて圧倒的に昼寝する時間が多くなっている。
それにウキウキしながら眠りにつくのも変だ。
以前楊貴妃殿がマイを目覚めなくさせたことはあるが…またそれか?
ともかく疑問は膨らむばかりだった。
「…?」
そんなある日、
仕事でマイが留守の間、机にあるマイのすけっちぶっくに目がいった。
本当に気まぐれだ。
どんなものを描いているんだろうと気になり、ぱらばらとめくっていく。
すると、
「これは…向日葵か。」
一面の向日葵畑。
こんなところ、訪れたことがあっただろうかと思ったが問題はそこじゃない。
「…誰だ?」
その向日葵畑を背にして、こちらに笑顔を向けている人物が描かれている。
あびいでも、楊貴妃殿でもおれでもない。
見たことの無い誰か。子供くらいの背丈をした人間だ。
「ちょいと…問い詰めてみるか。」
?
「おはよ。ゴッホちゃん。」
「お、おはようございます…お兄様。夢の中なのにおはようございますと言うのも…な、何か変ですね。」
あれから、僕達は夢の中で頻繁に会うようになっていた。
最近は疲れたから寝る、というよりかはゴッホちゃんに会いたいから寝ると言った方が正しいかもしれない。
ただそれくらいに、僕ら二人は仲良しになったんだ。
「お兄様。」
「?」
「な、何かゴッホにお手伝い出来ることはありますか…?」
こうして夢の中に入ると、まずはゴッホちゃんのご飯作りから始まる。
サーヴァントは基本食事を必要としないのだけれど
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