俺×姐さん÷孫呉−さっちゃん=あーもー帰りたい!
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『殺す! 殺してやる! 出て来い雹霞ぁ! 八つ裂きにして長江に投げ捨ててやる!』
『お、落ち着いてください〜! 冥琳様が取り乱してどうするんですかぁ!』
『えぇい離せ穏! あのバカはあろうことか私を【年増】扱いしたのだぞ!? 祭じゃあるまいし、同年代に年寄り扱いされる謂れはない!』
『冥琳、ちょぉっとこっちに来てもらえるかの? 今のことについて少し聞きたいことがあるのじゃが』
『あ、あぁいやこれはえと……』
『言い訳はいいから早く来るんじゃこの大馬鹿者がぁあああああああああああ!!』
『う、恨むからな雹霞ぁああああああああああああ!!』
「…………えーと」
なんか俺のせいで内部分裂が始まってないか? 冥琳がトサカに来てるって結構ヤバいことだと思うんだけど。怒りに任せて雪蓮けしかけてきたりしないよな?
「このバカ……なにやっとんねんドアホ……」
「えー……まさか聞こえるとは思わなかったんですけど……」
「武将の聴力嘗めてると痛い目見るで、自分」
「それは今ので痛いほど分かりました。俺たぶん、今日確実に死にますわ。幼馴染に刺されて」
「大陸で五本の指に入るくらい悲しい死に方やな、ソレは」
姐さんは同情交じりに俺の肩をポンポンと叩くと傍に置いてある飛龍偃月刀の手入れを始めた。もうすぐ入用になるから丁寧にしておかないといけないしな。いきなり刃こぼれとかされてもシャレにならないし。それに姐さんほどの実力者ともなればそれなりに強い武将とぶつかるのは至極必死のこと。それを考えれば、手入れするのに越したことはないのだろう。ただでさえ人員不足の董卓軍だ。少しでも敵を殲滅しておきたいというのが本音のところ。まぁここは一応かの有名な水関だし、そう簡単に落とされるとは思えないけどさ。
「……ぉ、なんか動き始めたみたいですよ。姐さん」
「んぁ? おー、自分とこの軍からけったいなやつが出てきたやないか。強そうやなー」
のんびりと言う姐さんだったが、俺は一人冷や汗をかいている最中である。冥琳め、本当に無茶なことを……。
今まで行動を起こさなかった連合軍側だったが、どうやら話し合いが終わったらしく、孫呉軍から一人の武将が騎馬に乗って俺達の方へと向かってきていた。桃色の長髪に赤を基調としたセクシーな装束。その瞳には強い確固たる意志が讃えられ、腰に差してあるのは孫呉の名剣、南海覇王だ。
わーお、まさか雪蓮本人が出てくるなんて予想通りを通り越してもはや予言レベルじゃないか。そんなに俺を殺したいのか冥琳よ。さっきの発言がよっぽど堪えたみたいだなぁ……。
「……ちょっと待ちぃな雹霞。なぁにこっそりと逃走準備始めとるんや自分は」
「ごめん姐さん。ちょっと虎牢関に用事思い出しちゃってさ。ちょっとばかし時間がかかるけ
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