第一章
[2]次話
森の中に消えた犬達
エイミー=キャリーイギリスローゼット州出身で今はアメリカワシントン州バション島で働きつつ動物の保護活動にもあたっている彼女は赤髪に青い目で長身の持ち主である。顔にはソバカスがありそれがトレードマークになっている。
その彼女にだ、ある日所属している保護団体から話があった。
「実は犬が二匹森の中で行方不明になったの」
「森の中ですか」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「今から何人かで森に入るけれど」
「私もですね」
「来てくれるかしら」
「わかりました、参加させて下さい」
エイミーは一も二もなく頷いた、そうしてだった。
同僚達と一緒に森に入った、そこで犬達の特徴と名前を聞いた。
「テイリーとフィービーですね」
「うん、ティリーは赤茶色で白いところもある毛で垂れ耳でね」
「フィービーは黒と茶と白だよ」
「二匹共結構大きいよ」
「そうした子だよ、どっちも雄だよ」
「わかりました」
エイミーは同僚達の話を聞いてだった。
自分の携帯に二匹の画像も送ってもらってそれぞれの外見も把握してだった。そのうえで。
森の中を探した、やがてティリーを発見したと連絡があってそこに向かうと。
他の同僚達もいた、その前にはティリーがいたが。
「ワンワンワン!」
「こっちに来い?」
「そんな感じだな」
「そうだな」
「ついて行きましょう」
エイミーもティリーの声と態度から彼が案内をしたいと理解してだった。
同僚達に言ってだ、そしてだった。
同僚達と共に彼について行った、そこで案内された場所は。
森の中のもう使われていない大きな排水溝があった、そしてその中に。
「クゥ〜〜〜ン」
「間違いない、フィービーだ」
「この子はフィービーだ」
「そこに落ちてか」
「出られなくなったんだな」
「そして」
見ればティリーは。
排水溝の上からフィービーを心配そうに見てそのうえでエイミー達を訴える目で見てきた、これでもう充分だった。
スタッフ達は排水溝からフィービーを助け出した、失踪したと連絡があって一週間経っていて彼はその間飲み食いもままならずかなりやつれていたが何とか助かった。
それからフィービーは少しの間入院して落ちた時に受けた傷の手当と栄養失調と脱水症状になっていたのでその治療を受けてから飼い主の家に帰ったが。
「ワン!」
「ワンワンワン!」
二匹は再会すると嬉しそうに尻尾を振り合ってじゃれ会った、エイミーも他のスタッフ達もその二匹を見て笑顔になった。
数年後エイミーは故郷のローゼット州に戻りここでも動物の保護活動のボランティアを働きつつ行っていたが。
ここでも森の中で犬が失踪した事件が起こった、今度は。
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