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八条学園騒動記
第六百十四話 嫌な客はその九

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「もうね」
「常識の常識よね」
「例えばその辺りの小国が一国でアメリカや中国に喧嘩売る」
「それも馬鹿よね」
「連合でそんな国ないけれどね」
「その場合何ヶ国かで向かうから」 
 小国が大国に向かうにはだ、合従連衡ということだ。
「もうそれはね」
「普通よね」
「それが普通で」
「喧嘩売るなら相手見ろ」
「それがわからないとね」
「どうなっても自業自得で」
「しかもとびきりのドキュン高校のやることだから」
 ドキュンイコール嫌われ者だからだというのだ、何時の時代でもそうした輩は嫌われるものである。
「それじゃあ」
「相手も見ないね」
「相手を見て喧嘩を売る」
 これはとだ、カトリは言った。
「野生の世界じゃね」
「蟷螂はそうだけどね」
 ジュディはこの虫を出した。
「蟷螂はどんな相手にも向かうから」
「逃げないでね」
「戦車にもね」
 兵器に対してすらなのだ。
「堂々と向かって」
「踏み潰されてもね」
「背中向けないけれど」
「つまり連中はね」
「蟷螂レベルの頭ね」
「虫レベルってことね」
「そうよね、けれど野生の生きものは無闇に戦わないわよ」 
 このことはアンネットが話した。
「熊だってね」
「そうよね」
「虎だってそうよね」
「ライオン同士も無闇に戦わないし」
「野生の生きものはそうよね」
「蟷螂だってね」
 その自分が絶対に勝てない相手にすら背を向けず向かっていく昆虫ですらというのだ。
「無闇にはね」
「襲わないから」
「食べる時以外は」
「けれど人間で馬鹿な奴は」
 そのドキュンはというのだ。
「普通にね」
「無闇に喧嘩を売って」
「それでよね」
「相手も見ない」
「そうよね」
「だから虫以下よ」
 ドキュンも最底辺に至ると、というのだ。
「本当にね」
「そうよね」
「もうそんな連中はね」
「ドキュンを極めると」
「そこまで馬鹿よね」
「試しにマハラジャタウンに蟷螂が入って」
 虫は何処にも出るのでこれは常である。
「街の裏の顔利きに向かったら」
「踏み潰されるわね」
「虫の居所によってはバラバラね」
「そうなるわね」
「絶対に」
「間違いなくね」
「おい、その顔利きってのはな」
 フックはアンネットの今の言葉にはっとなって強張った顔で述べた、恐ろしいことに気付いたからである。
「セーラだよな」
「そういえばそうね」
「あの娘がそうだったわ」
 カトリもジュディもはっとした顔になってフックも言葉に応えた。
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