第二章
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「ですから」
「お腹が空くことはないですね」
「そうです、そのことは。ですが」
「ずっとですか」
「待っています」
マヤはというのだ、こう彼女に話した。
サンドラはベッドの中から動けない、例え治療されたとしても虫垂炎はかなり痛くそれで、であった。
退院まで動けなかった、そうして。
そのままだ、サンドラは六日の間だった。
入院していた、それが終わってからだった。サンドラは両親に迎えられてそのうえで退院した。その時に両親は彼女に話した。
「今もだよ」
「マヤは入り口で待っているわ」
「お前をな」
「そうしているわ」
「全く、こっちが心配になるわ」
ずっと待っていると聞いてとだ、サンドラは両親と一緒に退院し病院の入り口、そこから外に出る為にその中に入った。
そこでだ、こう言った。
「そんなこと聞いたら」
「そうだな」
「そうなるわね」
「六日もなんて、けれどね」
それでもとだ、サンドラはこうも言った。
「嬉しいわ」
「ずっと待っているからな」
「入院している間」
「そこまで想われたらな」
「嬉しいわね」
「ええ、早くマヤに会いたいわ」
こう言ってだった、そのうえで。
サンドラは外に出た、するとそこには。
マヤがいた、マヤはサンドラを見ると起き上がってだった、尻尾をぱたぱたと左右に振って彼女のところに来た。
そしてだ、サンドラは彼女を抱き締めた、そうしてまずはこう言った。
「駄目でしょ、心配かけたら」
「クゥ〜〜〜ン」
「けれど有り難う」
怒ってマヤに注意してからこうも言った。
「待っていてくれて、本当に貴女はいい娘よ」
「ワン」
「私は大丈夫よ、だから帰りましょう」
「さあ、車は用意しているぞ」
「今から乗りましょう」
「ええ、それじゃあね」
サンドラは両親に笑顔で応えた、そうしてだった。
マヤと共に車に乗って家に帰った、そして彼女との家での幸せな生活を再会させた。
その話を聞いてだ、中国山東省在住の王虎峯は餌をやっている犬に言った。痩せた小柄な中年の男である。職業はこの近くの農夫だ。
その犬はかつての飼い主の墓から離れない、茶色と白のやや垂れ耳の犬であり名前は宝貝という、その彼にご飯をあげつつ言うのだった。
「何処でも犬は飼い主に愛着があるんだな」
「ワン」
「だからお前も離れないんだな、それじゃあな」
その犬に言うのだった。
「ずっとここにいろよ、天国の飼い主さんも喜んでくれてるよ」
「ワンワン」
宝貝は鳴いて応えた、そしてだった。
ずっとそこにいるのだった、王はその彼を見つつ犬はそうした生きものだと実感した。そして強く頷いたのだった。
スペインの秋田犬 完
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