第一章
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スペインの秋田犬
スペインカタローニャ州バルセロナに住むサンドラ=イエニスタは二十二歳になる、黒髪を伸ばし色気のある黒い目と紅の唇を持っている。背は一五三程でスタイルがよくやや浅黒い肌を持っている、大学生で家族と共に暮らしていて。
いつも家の愛犬マヤを可愛がっている、マヤは雌で茶色と白の毛色で。
「日本の犬よね」
「そう、秋田犬よ」
家に来た友人に笑顔で答えた。
「その犬よ」
「凄く頭いいのよね」
友人は秋田犬と聞いてこう言った。
「そうよね」
「それで凄く家族思いで言うことも聞いてくれるの」
「そうした犬なのね」
「そうよ、それでこの娘ね」
自分に撫でられて嬉しそうに尻尾を振るマヤを見つつ話した。
「凄く素直でね、可愛い性格で」
「いい娘なのね」
「こんないい娘いないわ」
サンドラはこうまで言った。
「本当にね」
「もうその娘なしでいられない感じね」
「そうよ、ずっと一緒にいたいわ」
「ワンッ」
ここでマヤも嬉しそうに鳴いた、サンドラはその彼女を見てさらに笑顔になった。そして家族でドライブに行く時もだった。
マヤが一緒だった、だがその時に。
ふとだ、サンドラは腹を抱えて苦しい顔で言った。
「何か急にお腹が」
「おい大丈夫か」
「どうしたの?」
両親はそれぞれ運転席と助手席から娘に問うた。
「お腹が痛いの?」
「そうなの?」
「うん、凄く痛いの」
見れば脂汗を流して本当に苦しそうにしている。
「急にね」
「病院に行くか」
運転している父はすぐに言った。
「そうするか」
「ええ、お願い」
娘も是非にと答えた。
「そうしてね」
「ああ、それじゃあな」
「すぐに病院に行きましょう」
「クゥ〜〜〜ン」
サンドラの隣にいるマヤは彼女を心配そうに見ていた、そしてだった。
サンドラはすぐに病院に連れて行かれ診察を受けた、すると医師は本人と家族にこう言ったのだった。
「虫垂炎です」
「そうですか」
「虫垂炎ですか」
「そうですか」
「はい、六日入院して下さい」
何でもないという返事だった。
「それで大丈夫です」
「治療を受けてですね」
「そうです、ではそういうことで」
こうしてサンドラは入院することになった、そして。
治療を受けた、手術ではなく治療を受けてそれで虫垂炎は治った、そうして暫く入院することになったが。
入院している彼女にだ、医師は言った。
「あの、入り口にです」
「入口?」
「病院の入り口です、そこにです」
ベッドの中に寝ている彼女に話した。
「お宅の犬が」
「マヤがですか」
「ずっといて待っています」
「私をですか」
「そうです」
こうサンドラに話した。
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