第一章
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孤独な白鳥
サイモン=シモンズ黒髪と青い目で一八〇のすらりとした長身の彼はアメリカワシントン州シアトルに住んでいる。彼は家族として雛の時にフェンスに引っ掛かっていたのを助けた雄の白鳥のルートヴィヒと暮らしている。彼は飛べなくなったが彼といつも仲良くしている。
その彼にだ、サイモンは言った。
「じゃあ今からサイクリングに行って来るよ」
「ガア」
「気をつけて行って来いよ」
ルームメイトのルーフエン=ワンも言ってきた。背はサイモンより少し低く穏やかな顔立ちである。黒い短い髪と目で筋肉質だ。
「サイクリングでもな」
「ああ、何かとな」
「危ないからな」
「わかってるさ、車とかには気をつけて来い」
「そうして来いよ、俺も怪我が治ったらな」
見れば右足をテーピングしている。
「またするな」
「ああ、捻挫治ったらな」
「また一緒にサイクリングしような」
こうした会話をしてだった。
サイモンはサイクリングに出た、そして。
帰ってからだ、ジークフリートを撫でつつルーフェンに話した。
「近所の湖に白鳥いたよ」
「白鳥はこの辺りは何処でもいるだろ」
「いや、それが一羽だけなんだよ」
「一羽だけか」
「ぽつんといるんだよ」
湖の中にそうしているというのだ。
「これがな」
「白鳥って群れで行動するのにな」
「こいつは仕方ないけれどな」
ジークフリートを撫でつつ言った。
「怪我していたし飛べないからな」
「だからうちで飼ってるな」
「ああ、けれどな」
それでもというのだ。
「その白鳥はな」
「一羽だけか」
「兄弟にも親にも何かの理由で見捨てられたらしいな」
「それは気の毒だな」
「ああ、気になるから明日も行ってみるな」
「仕事帰りにでもか」
「行きにそうするな」
こう言って実際にだった。
サイモンは毎朝会社まで自転車でサイクリングを兼ねて湖の方に行って白鳥を見る様にした、そこに怪我が治ったルーシェンも加わって。
二人で白鳥を見た、白鳥は二人は最初は性別はわからなかったがやがてたまたま湖の傍で釣りをしていた人が二人に雌だと言ったのでユディットと名付けた。
二人はやがてユディットに餌を与える様になりそれから出勤する様になった、そのうえで彼女を見守る様になったが。
やがて彼女の周りにだった。
「ガア」
「ガアガア」
「ガア」
湖にいる鴨達が集まってきた、そうしてだった。
ユディットは自然と彼等と一緒にいる様になった、自然と鴨の群れの中に入って幸せに暮らす様になった。
その彼女を見てだ、ルーシェンはサイモンに言った。
「よかったな」
「ああ、一羽だけだったのがな」
「友達が出来たな」
「そうだよな」
「本当によかっ
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