第二章
[8]前話
「寝てろ、今風邪だろ」
「ワン・・・・・・」
「戻れよ、それで寝てろ」
こう言って彼を帰らせて学校に行った、これは父や母が家を出ても同じで。
帰る時もだった。
ルイは出迎えた、だが史郎は。
その彼を両手で抱えてケージの中に入れて寝かせて毛布をかけてから言った。
「いいって言っただろ、風邪だから寝てるんだ」
「そうよ、そうした時はいいのよ」
母もルイに言った。
「今は風邪を治しなさい」
「ワフウ・・・・・・」
ルイもようやく頷いた、それから三日位はずっと寝ていて。
ようやく回復した、それでケージから出た時に史郎は母に言った。
「全く、風邪の時は寝ていたらいいのに」
「それでもね」
「出迎えや見送りも」
そうしたこともというのだ。
「しなくていいのに」
「そうね、けれど家族だから」
だからだとだ、母は言った。
「そうしたのよ」
「そうなんだな」
「そうよ、いい子ね」
「そうだな、最初は色々あったけれど」
子供の頃ルイが家に来てすぐの頃も思い出した。
「俺の靴の匂い嗅いだり」
「臭そうにね」
「言うことも聞かなかったけれど」
「今はね」
「欠かせないよ」
「私達の家族ね」
「そうだよ、じゃあ明日からまた散歩に行こう」
今日はまだ安静だが、というのだ。
「ルイもそれでいいな」
「ワン」
ルイは鳴いて応えた、風邪が治った彼は散歩に行きそうして家族を見送り出迎えた、家族の一員としてそうした。
酷い風邪なのに 完
2021・5・22
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